湘南鎌倉総合病院 救命救急センター
24時間365日、すべての救急車収容要請を受け入れることが病院の方針であるため、ERが救急患者を受け入れる部門として確立している。したがって、どのような状況であっても、各専門科から「なぜERが受け入れたのだ」と言われることが絶対にない。
総合内科、一般外科が専門科として整っているため、入院担当科が決定しにくい場合は、これらの科が必ず引き受ける体制が確立している。
当科の特徴
入院病床は救急患者のために使用することが優先されており、たとえ入院予定があっても必要があれば救急患者のために使用される。このため救急需要が増加すれば平均在院日数の短縮が必然となる。
これらは、ER医に限らず、各専門医、外来看護師、病棟看護師、医事課職員など全ての職種が、「救急患者を断らない」理念を共有しているからこそ可能となっている。
ERで診察した患者を、自分の勤務時間に予約しfollow upできる。例えば、33歳男性のサーフボードで足を切った方を縫合し、翌日の外来でfollow、約1週間後の抜糸まで行う。77歳男性の発熱、採血や尿検査など行うも診断がつかず、2日後の外来再診予約とし帰宅とする。などである。
当院でのローテーションで不十分な場合は、他施設での専門研修も行える。
我々が育成するER医は、湘南鎌倉ERのような設備や体制の整った環境だけで活躍できるER医ではなく、日本全国、いや世界中のどこであっても、その現場のリソース、システム、体制、マンパワーを理解し、最善を尽くせる医師である。例えば、徳州会伊良部島診療所は、採血は船で隣の島に送らないと結果が出ない、CT検査ができない、各科専門医がいない人口約6000人の島唯一の医療機関で、そこでは、小児から高齢者まで、多発外傷から重症敗血症まで、予防医療・保険業務から社会的問題まであらゆる医療問題に対応する能力を求められるが、ER医としてだけではなく、総合診療医としての実力が試される研修となる。
後期研修カリキュラム
日本救急医学会ER後期研修モデルプログラムに準じ、4年間のうち、24か月はERローテーション、24か月は各専門科ローテーションを行っている。各専門科ローテーションは、総合内科(6カ月)、一般外科(2か月)、小児科(3カ月)、産婦人科(2か月)、整形外科(3カ月)を必修として、他に、麻酔科、眼科・耳鼻科・皮膚科・形成外科・脳神経外科・消化器科(内視鏡)・救命救急センター・離島僻地研修などから8カ月間の選択研修をすることを基本とする。
最終の研修4年目はチーフレジデントとして通年のER勤務を行い、研修医の指導・ER運営マネジメント・臨床研究等、ERスタッフになる為の基本を学ぶ。
また、3ヶ月、1年間、2年間など短期研修にも柔軟に応じることが出来る。
後期研修各学年と各科ローテーションに於いては、経験すべき疾患、手技など到達目標を掲げ、チェックリストとして活用し、後期研修医のチューターが到達度をチェックするシステムを設けており、適時フィードバックを行っている。
カンファレンス/レクチャー
【毎週金曜日13時〜14時】
総合内科チューターであるDr.Branch(英国人医師)とのケースディスカッション
【毎週金曜日14時〜17時】
ERシニアレジデントによるカンファレンス(M&Mカンファレンス Journal Club, Tips(後期研修医によるmini-lecture)、ERスタッフによるレクチャー、第2金曜日のみEmergency medicine practice輪読会
【毎週金曜日17時〜18時】
総合内科合同カンファレンス(総合内科、ERより1症例ずつ呈示しディスカッション)
【毎週金曜日19時〜20時】
初期研修医ERカンファレンス
【毎月第1木曜日7時半〜8時】
脳卒中科合同カンファレンス(脳卒中科、ERより症例呈示しディスカッション)
【毎月第4木曜日19時半〜21時】
外科合同カンファレンス(外科、ERより1例ずつ症例呈示しディスカッション)
【奇数月第2水曜日 17時半〜19時】
M&Mカンファレンス(救命救急センター全職種対象)
【隔月第3木曜日18時30分〜20時30分 ※院外開催】
湘南地域救急医療合同カンファレンス(周辺の救急中核病院と救命救急士・看護師などとケースディスカッション)
センター概要
【概要】
・名称:医療法人 沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院 救命救急センター 救急総合診療科
・所在地:〒247-8533 神奈川県鎌倉市岡本 1370-1
・部長:大淵 尚、山上 浩
・医長:梅澤 耕学
・Webサイト:https://www.shonankamakura.or.jp/
・従業員数:スタッフ7名(うち非常勤2名)、シニアレジデント6名(女性医師1名)
【勤務体制】
当院では、来院方法を問わず、平日日勤帯は2-5名のER担当医が、20時−翌8時の当直勤務帯は、1年次初期研修医2名、2年次初期研修医+ER医5名の計7名で救命救急センター受診全患者の診療を行う。どの時間帯も後期研修医3年目以上のER医が常駐し、Supervisorとして初期研修医による救急診療の監督・指導を行っている。
ER医の勤務は、8時‐16時(日勤)8時、16時‐24時(準夜勤)、24時‐8時(深夜勤)の完全3交代制で、月に数回の8時-20時(延長日勤)や12時-20時(遅出日勤)がある。
【年間救急車搬送件数&救急受診総数】
【ICU、独自ベッドの有無】
ER医は10床の救命救急センター病床で、24時間以内の入院管理を行う。24時間以上の入院が必要になった時点で、当該専門科へ転科となる。ICU適応患者については、ER医が集中治療を開始し、ICU入室までの管理を行っている。
学生実習、研修医見学の連絡先
24時間365日いつでも見学可能です。
phone: 0467−46−1717(代表)
e-mail: shounankamakura@gmail.com
後期研修紹介
ER Staff: Dr.Yamagami
2003年福井大学を卒業し、そのまま循環器内科の医局へ入局した私が、なぜ湘南鎌倉のERに勤務しているのでしょうか?
1年目は大学病院の内科で研修、2年目から京都府北部の一般病院内科に派遣されました。そこはERというシステムはなく、当直医が全科当直をしている状況でした。当時内科医だった私は、夜間の子供の発熱や、転倒して頭部をぶつけた高齢女性など、様々な症例を診なくてはなりませんでした。しかし、卒後ストレートに内科医となった私には、小児や外傷はほとんど経験がなく、今思えば果たして良い診療が行えていたか、疑問です。そのような勤務で1年が経ち、地域に切実に求められている医者は、どんな症例でも評価・処置ができるER医だと強く思うようになりました。まずはスーパーローテーションが必要と思い、4年前、湘南鎌倉ERで研修を開始しました。
鎌倉に来た当初は、小児の点滴ルートや多発外傷などは未経験で、傷の縫合もまともにやったことがありませんでしたが、3ヶ月の外科研修と、千葉西総合病院での小児科研修で自信をつけ、2年目から産婦人科、整形外科、眼科、耳鼻科をローテーションし、さらに多くの症候に対応できるようになりました。研修3年目に、人口約7000人の島の唯一の医療機関である伊良部島診療所で3ヶ月間の勤務経験をし、研修4年目でチーフレジデントとして初期・後期研修医の診療指導・教育を担当し、現在はスタッフとしてER診療と初期/後期研修医の指導を、そしてER診療体制の整備とシステム構築を行っております。
ERというシステムは、専門医のバックアップがあって初めて成立します。医療が進歩し複雑化する中で、非専門医としての謙虚さを持ちながらER医として研鑽を積み、目の前の患者さんにできる限り最高の医療を提供できるよう、努力していきたいと思います。
EMAジョブフェア 2015 summer
EMAジョブフェアに参加いただきました!
その時に使用されたスライドです。
[slideshare id=52330397&doc=syonankamakura-150902092457-lva1-app6892]