市立大津市民病院 救急診療科・集中治療部
市立大津市民病院救急診療科 小尾口(こおぐち)です。ERに興味があるけど、集中治療的なこともやってみたいという方には最適な職場であると自負しています。市中病院でのclosed ICUは珍しい存在であり、救急外来・院内急変・手術後のそれぞれから相当数ICUに入室するので、多様な症例管理を経験していただけます。雰囲気のよい職場であることも自負しています。百聞は一見にしかず、見学をお待ちしています。
当科の特徴
集中治療と救急の双方の充実した研修を受ける事が出来ることが出来ます。これは、集中治療と救急を連携して行っているので、重症患者はレスポンスよくICUに収容、治療をスタートできるからです。その流れのなかで重症患者の病気の初期像から悪化・治療過程・手技全てを習得できます。特に敗血症患者管理等には自信をもっており、そういったものを吸収していただけます。
資格をとることも非常に重要なことであると考えており、集中治療医学会認定施設、救急医学会認定施設であるので集中治療医学会認定医、救急医学会認定医をとれるようサポートします。集中治療医学会認定医取得には「集中治療に関する論文」も必要でありそういった面でもアシストします。
写真:ICUでの相棒
後期研修カリキュラム・到達目標
【一般目標】
・研修期間全般を通して,救急診療・集中治療の実践に必要となる医学的知識・技量・態度の修練を通して,同領域の発展に寄与する力を修得する。
【行動目標】
・日本救急医学会専門医、日本集中治療医学会専門医等の取得に必要となる研修全般を履修する
・ガイドラインにより標準化された内容を履修し指導できる
・関連する学会等で自らの考えを十分な表現力で提示できる
【経験目標】
・本救急医学会専門医診療実績表に示された項目を経験する
・集中治療医学会専門医取得に必要となる項目を経験する
・救急外来に従事し担当症例を提示できる
・ICUに従事し担当症例を提示できる
・院内抄読会・検討会で適切に発表ができる
・ACLS (Advanced Cardioーvascular Life Support) に準拠した蘇生治療を指導できる
・JATEC (Japan Advanced Trauma Evaluation and Care) に準拠した外傷初療を修得する
・EBM (Evidence Based Medicine) に基づいて臨床の問題を検討し報告発表を行う
・学会発表・論文作成など救急医学・集中治療医学に関連する学術活動を行う
※詳しくは https://och.or.jp/html/jyusin/01_24.html を参照ください。
カンファレンス/レクチャーの頻度
・平日朝8:20からICU症例についてカンファレンス施行。毎週火曜日に抄読会。その際、ERにおけるCPA症例、ICU直入症例、(色々な意味での)問題症例を検討・記録している。
・新薬・デバイスについてのレクチャーは適宜実施(月1回ほど)。
・年に3回、研修医の先生にER・ICUにおける興味深い症例を発表してもらっている。これは自由参加。F先生主催。
写真:カンファレンス中の光景
センター概要
【概要】
・名称:市立大津市民病院
・所在地:滋賀県大津市本宮2-9-9
・TEL:077-522-4607
・FAX:077-521-5414
・責任者:市立大津市民病院 救急診療科・集中治療部 小尾口邦彦
・Webサイト:https://och.or.jp/index.html
・Facebook:http://www.facebook.com/298104680212597
【救急専従医】
定員は5〜6人です。
現在、救急専従医は4人です。日本救急医学会認定医・日本集中治療医学会認定医・日本麻酔科学会指導医が1人。日本救急医学会認定医・日本集中治療医学会認定医・日本麻酔科学会専門医が1人。日本麻酔科学会専門医が1人。日本麻酔科学会認定医が1人です。
【年間救急受診総数&救急者搬送件数】
平成28年度は救急患者総数約20000人、救急者搬送件数約4100件、ICU入室症例820人です。(救急外来からの直入を含む)
【救急室の設備】
診察室(4室。そのうち1つは陰圧室)、外科処置室(1床)、内科処置室(3床)、リカバリー室(4床)。エコー・心電図など。レントゲンは放射線部に撮影に行きます。心エコーなどは必要ならERまで技師さんが撮りに来てくれます。もちろん自分でやることも可。
【勤務体制】
当科の「ウリ」はICUに軸足をおいてERの経験も積むことが出来るということです。ER担当の日はスタッフ1人と初期研修医1〜3人でウォークイン・救急車を対応します。これが月に7日ほどあります。
ICUは完全Closed ICUを運営しています。ICU担当となる週が月に1〜2週間あり、その週は(月)〜(金)まで連続でICUを担当し、継続的に患者を管理することが出来ます。
当直は月に6回ほどあり、全てICU当直です。夜間のERは内科系・外科系各科が担当していますが、ICU入室が必要な症例は当科にコンサルトが来ます。当直あけは13時以降仕事が無ければ帰ることが出来ます。
翌日が休日の場合は8:30に引き継ぎをして、帰宅することが出来ます。ER担当でもなく、ICU担当でもない日は、ICU・ERの遊軍という位置づけです。時間が浮いた時には勉強に充てる事ができ、論文作成や学会発表の準備などをしています。F先生曰く、自分の時間の20%を知識のアップデートに使うように、とのことで臨床業務に忙殺されることなく勉強の日が設けられています。
ここで、あるスタッフの一日をまとめてみたいと思います。
08:00病院着。ICUにあるスタッフルームに向かう。横目でチラチラICUの患者さんを眺めながら、通りすがりに夜勤明けの看護婦さんとテキトウな会話を楽しむ。いつも思うけど、朝は日差しがよく入るICUだなー。
08:20 ICUスタッフルームに全員集合。昨日の当直だったI先生の申し送りを聞く。申し送りを早く済ませたいが、F先生がちょいちょい自分の話をしてしまい、いつも脱線気味(笑)。K先生が話を絶妙に戻して、レクチャーもしてくれる。
08:40 PHSがいきなり鳴りだしてビックリする。ERで当直をしていた先生からの引き継ぎの電話だった。一時間くらい前にめまいを訴える65歳女性が来て、胸のレントゲン・採血だけしたから後は診ておいてほしいとのことだった。「当直お疲れさまです!」。
08:45 カンファも終了したので、研修医の先生と一緒にERに降りる。夜勤明けの看護婦さんと話しながらさっきのめまいの女性を診る。うーん、内耳性のめまいかな。念のため、頭部単純CTも撮っておく。
09:30 今日は僕が担当だからERは落ち着いているだろうなあ、と勝手に思っていたら、朝の出勤時間に自転車に乗っていて軽自動車が接触した20代男性が救急車で来るという。おかしいなー。救急車着時、バックボード、頸椎カラーで固定されてモノモノしいけれど、あまり大したことなさそう。JATECで教わった通りにやっていく。研修医の先生と一緒にFASTをする。そうこうしているうちにめまいの女性のCTが出来ていた。まずい、待たせたまんまだった。うーん、小脳に梗塞とかもなさそうだしなあ。念のため、放射線科の先生に読影してもらおう!すぐ近くの放射線科へ小走りに向かう。「I先生、お願いしまーす」。忙しい中でも快く見てくださってありがたい。ちなみに、放射線科医が救急部に協力的なこともこの病院のウリの一つです。いつも助かります。結局大丈夫で、メリスロン出して翌日改善無ければ耳鼻科受診するようにお話しした。
10:30 交通事故の人も大丈夫そう。擦過傷があったけど気がついたら研修医の先生が、破傷風トキソイド打って、生食で洗って、メピレックス貼って、オーグメンチン出しておいてくれた。バッチリです!
11:15 早いけれど昼飯。早めに食べておかないと食い損ねるんだよねー。院内のローソンで今日も「あんこギッフェリ」(168円)などを買う。
12:30 午前中ICUにいた研修医I先生が合流し、午後から3人体制で。最近インフルエンザが多いよなー。インフルエンザ基本的に自宅安静なんだけれど、SpO290%の90歳が来て、迅速検査でA陽性だった。さすがに帰宅は無理で、ラピアクタ落として入院とする。うーん、個室ベッドが足りない、、。他にも判断に迷う患者さんが行たけど、困った時のDr.Kコール。いつも適切な対処を教えてくれる。助かるーヽ(‘ ∇‘ )ノ。意識障害が主訴で来た70歳男性は頭部CT撮ったら小脳出血だった。脳外科の先生にコンサルトして、オペになってその後ICUに入ることになったらしい。今日はICUやっているI先生、よろしくー
18:15 17:15までER来た患者さんを診察し終わってこの時間。よし、明日は当直だし、もう帰ろう。愛する妻が待っている。
学生実習、研修医見学の連絡先
学生実習・研修医見学、ともに大歓迎です。
・電話:077-522-4607
・Eメール:och1020@och.or.jp
写真左:ER救急車用搬入口
写真中央:ERでの1コマ
写真右:子供も来ます(この後ろ姿はどこかで見たような…)