聖隷三方原病院 救急科/救命救急センター
静岡県西部にある浜松市の北部に位置しています。浜松市は人口約80万で、2007年に政令指定都市になりました。周囲は田園地帯で、温暖な気候と穏やかな人柄の地域性で、都会ではないですがド田舎でもなく適度に暮らしやすい環境です。大阪と東京のちょうど真ん中辺りに位置し、新幹線でどちらも90分程度。東名高速のインターにも近く、交通の便は良好です。
当科の特徴
ドクターヘリ・ER型救急診療・多発外傷を中心とした入院管理の3つを柱として静岡県西部地区の救急医療を担っています。入職後のイメージとしては、院内ではできることが救急の現場ではできなかった、ということがないように、ドクターヘリのフライトドクターとしてOJTを中心にトレーニングを積んでいただき、その後独り立ちしていただきます。そして1次から3次救急に従事することにより、経験しがたく幅の広い臨床経験を積むことが可能となっています。
最終的な目標は、チームでの連携、システムで人を救うという発想のもと、急性期の医療マネジメントを担えるようになることです。フライトドクターとして医師自らが救急の現場へ出向き、救急隊員とともに現場での初期医療に当たり、患者さんの救命率・社会復帰率を上げるというのが使命であり業務の柱となります。
また、当院の精神科は閉鎖病棟を持つ精神保健福祉法指定病院・静岡県精神科救急医療基幹病院・身体合併症対応施設(静岡県精神科救急身体合併症対応事業)であり、かなり重度の精神疾患を基礎に持つ重傷外傷患者や悪性症候群、水中毒、薬物中毒、自殺企図患者等も多数来院、入院します。初期より精神科と共働で治療にあたることができ、いわゆるリエゾン精神医学が有効に機能しています。
写真:ドクターヘリ新機体(手前)と旧機体
後期研修カリキュラム(他科選択/ローテーション)
最初は救急科で業務に慣れていただき、その後は極力本人の希望に添うように各科でのローテーションは調整します。ただし他科ローテ中も、業務過多にならない程度に救急科の夜勤があります。なお、救急科以外は交替制勤務ではありません。
これまでの実績:循環器科、整形外科、成育医療センターPICU・麻酔科、静岡県立こども病院PICU
カンファレンス/レクチャーの頻度
・入院患者カンファレンス:毎朝・夕(病棟当番⇔夜勤の引き継ぎを兼ねる)
・症例検討会(不定期)
・ドクターヘリ運営部会:毎月1回
・ドクターヘリ事後検証会:毎月1回
写真左:初療室
写真中央:初療室内のCT室・X線撮影室
写真右:ウォークイン診察室より初療室側を臨む
センター概要
【概要】
・名称:聖隷三方原病院 救急科/救命救急センター
・所在地:〒433-8558 浜松市北区三方原町3453
・Webサイト:http://www.seirei.or.jp/mikatahara/index.html
【スタッフ/シニアレジデント】
・スタッフ(すべて救急専門医):7名(うち女性2名)
うち救急指導医1名・脳外科専門医2名・日本DMAT隊員5名(重複あり)
・シニアレジデント:現在0名
・初期研修医ローテーター:3~4名
・内科/総合系後期研修医ローテーター:不定期にあり
【勤務体制】
一次から三次まで受け入れる北米型ER体制をとっています。
平日日勤帯(8:15~17:00)救急専従医1-2名+初期研修医1-3名
日曜・祝日日勤帯
夜勤帯(17:00~翌9:00)救急専従医1-2名 2年次研修医1-2名+1年次研修医2名
夜間院内待期は循環器科・神経救急(脳神経外科/脳卒中科/神経内科)・産婦人科・小児科・精神科
その他の科は宅直制。
【勤務時間】
8:15~17:00(日勤)
17:00~翌9:00(夜勤=準夜勤+深夜勤)
夜勤1回は準夜勤と深夜勤との連続勤務で、日勤2日分に相当、夜勤と日勤が連続することはありません。
完全シフト制(交替制勤務)のため、勤務超過がほとんど無く、適正な労働環境を構築しています。不規則ではありますが、きちんと休日が確保され、労働環境としては申し分ないと自負しています。
・日勤
Heli:4~5回/月
ER:1~2回/月
病棟:0~10回/月※
※病棟は、ある程度の一貫性を維持するため(家族対応など日替わりでは困難なケースがあるため)、数日~10日程度連続とし、ローテーションで担当しています。従って、病棟当番のない月もあれば、10日ほど病棟の日勤が続く月もあります。7日以上病棟日勤が続く場合は、間に1日休みを設けて、その日は他の医師が臨時に担当します。夜間は夜勤医師が対応するので、夜間の急変などで病棟番が呼び出されることはありません。
・夜勤:救急外来、救急科入院患者の対応
病棟当番の日数の変動で、月ごとではムラがありますが、数ヶ月~1年単位で不公平なく業務が均等になるようにシフトを組んでいます。
この他に救急科宅直(自宅待機)が月に2回ほどあり、救急外来が超繁忙だったり、超重傷患者が入った時などのon callですが、実際にはほとんど呼ばれることはありません。
【年間救急車/walk-in数】
・2010年度実績:総受診者25917人
・walk-in:20562
・救急車:5236*
・ドクターヘリ:110
・病院車その他:9
*ドクターヘリが出動し、出動医師が救急車に同乗して搬入となった、いわゆるドクターカー方式の搬入を含む
【ICU/独自ベッドの有無】
・救急科専用ではなく各科相乗り型。
・救急外来に経過観察用のベッドが6床あり。
・ICU、一般病棟にて、救急症例(中毒、CPA蘇生後など)や他科への分類不能例(高齢者の不明熱など)を救急科入院として対応します。
【救命救急センター施設・設備 ほか】
・初療室ベッド:4床
・観察ベッド:6床
・walk-in診察室:9室(個室)
・腹部エコー・心臓エコー
・エアウェイスコープ
・モニタ付きグラム染色用顕微鏡、染色設備
・CT室・X線撮影室は初療室内にあり
・電子カルテ:2012年にリニューアルしてレスポンスが著明に改善し、ストレスがほとんどなくなりました。
学生実習、研修医見学の連絡先
見学には随時対応いたします(院内宿泊施設あり、ネット接続はできませんがビジネスホテル程度の設備あり、無料。事前申込み要)。
見学、ご質問などお気軽にお問い合わせ下さい。
聖隷聖隷三方原病院 救急科/救命救急センター
Webサイト:http://www.seirei.or.jp/mikatahara/index.html
tel:053-436-1251(代)
中谷充:m-nakatani@sis.seirei.or.jp