順天堂大学医学部附属病院 救急診療科
当院救命救急センターは平成19年に現在の体制が確立され、東葛南部地域の三次救急医療施設として機能しております。同時に同地域の一・二次救急患者の受け入れも行い、救命救急センターではありますが24時間365日walk-in、救急車限らず診療を行っています。
当科の特徴
救急車はすべて救急診療科で初療を行い、内因性疾患で各専門科での治療を要する場合は各科に振り分けています。集中治療を要するもの、各科での治療が困難な症例は当科で治療を行います。
11時以降は一般外来での初診受付が終了するため、それから17時までの間に来た予約外患者は当科で対応します。
小児科、産婦人科は基本的に各科で対応していますが、小児科は外因性疾患であればwalk-in・救急車に限らず当科で診療を行います。近々小児科、小児外科を中心に小児救急センターを設立予定です。
また当院は大学病院であるため、教育・研究に関しても強く力を注いでおります。特に研究に関しては当院併設の環境医学研究所を利用しながら、生体の侵襲に対する白血球の機能の研究や、「ERを科学する」をテーマに各種症状に伴う新たなバイオマーカーの検出などを行っています。また、海外の学会にも積極的に参加しています。市中病院では臨床疫学研究がメインになると思うのですが、基礎研究とリンクし様々な機器を用いながら研究できるのは大学病院ならではの醍醐味だと思います。
サブスペシャリティ技術の習得を希望する場合は他の順天堂大学関連病院または学外病院に出向することも可能です。現在も消化器内科、小児救急、急性期外科、IVRの習熟のために7名の医師が出向中です。
医局内は関西出身者が多いため標準語が関西弁になっていますが(笑)、和気あいあいとしとても楽しい医局です。
カンファレンス/レクチャー
平日朝:病棟カンファレンス、外来フィードバックカンファレンス、病棟患者の申し送りと今後の方針をスタッフ全員で把握。また、外来患者の初療の経過をフィードバック。
・月1回:リサーチカンファレンス
施行中の臨床研究の途中経過を報告する。
・月2回:抄読会
研修医または3年目のスタッフが自分の気になる文献を読む。
・月1回:ピットフォールカンファレンス
外来で勉強になった症例、こちらが冷や汗を書いた症例などを細かくフィードバックしていく。
その他ローテートしている研修医を対象に外傷初期診療、小児救急、BLS•ACLS診療のレクチャーを行っています。
センター概要
【概要】
・名称:順天堂大学医学部附属浦安病院
・所在地:〒279-0021千葉県浦安市富岡2-1-1
・Webサイト:http://www.hosp-urayasu.juntendo.ac.jp/
【指導医数】
日本救急医学会専門医6名、指導医3名
日本外科学会専門医4名、指導医2名
日本熱傷学会認定医2名
日本内科学会認定医2名
日本循環器学会専門医1名
その他日本外傷学会、日本中毒学会評議員 など
(すべて重複あり)
【勤務体制】
完全2交代制: 勤務は完全2交代制のシフト制です。3〜5年目は病棟医と外来医に分け、数ヶ月ごとにローテートしています。一回の勤務は指導医レベルのスタッフ1名、外来医1名、病棟医1名、研修医が病棟•外来1名ずつで対応しております。日勤や夜勤に該当していない日は、入院患者の診療や外来の手伝い、研究、勉強など自由になっています。
【救急来院患者数(平成22年度)成人/小児(年)】
waik-in 14400名(成人:10079名、小児:4321名)
救急車5146台(成人:4385台(うち三次992台)、救急車761台(うち三次32台))
このうち当科で対応した小児患者数: walk-in396名 救急車285台(うち三次22台)
【入院率】
walk-in 14.3%、救急車 40.9%
スタッフ:20名(うち女性スタッフ3名)
その他他院に出向中の医師7名
【ICU、独自ベットの有無】
救命救急センター15床、集中治療室6床
病態が安定した場合は一般病棟に移りますが、当科専用の一般病棟ではないので、各病棟に患者が点在しています。
学生実習、研修医見学の連絡先
見学・質問・ご相談は大歓迎です。お気軽にご連絡ください。
連絡先:tsumiki@juntendo-urayasu.jp (森川美樹)
今後の夢
私はER領域と集中治療領域の両方に興味があるため、どちらの知識もさらに向上させていきたいと考えています。まだまだ臨床技術は未熟ですが、一次救急から三次救急まで診療できる当院の環境はとても魅力的で、バラエティーに富んだ症例が経験できます。また、学位取得を考えている方には若いうちからの大学院進学を積極的に進めている当大学はおすすめです。市中病院と比べると他科との壁は高く感じますが、プレゼンテーション能力や正診力の向上につながると信じ、日々努力しております。現体制になってからまだ日も浅いため、今後さらに精進し、当大学でのER診療を確立させていきたいと考えています。また医学生にERのおもしろさを広め、ERを目指す医師がもっと増えたらいいなと思います。さらに女性が出産後も続けられる環境づくりに努めたいと考えています。