2019.05.17

湘南藤沢(茅ヶ崎)徳洲会総合病院 救急総合診療部

紹介スライド:湘南藤沢(茅ヶ崎)徳洲会病院(注:power pointスライド)

当科の特徴

堅苦しいご紹介は病院ホームページのER部門の紹介をご覧ください。まあ普通にERとしての研修が可能です。というわけで、ここでは当院独自のアピール点をいくつか…。

1) 開院30年以来、いわゆる北米型ERとして機能している病院です。伝統の力とはけっこうなもので、内科、外科その他の科の人々がそこに理解を示してくれていることが当院の大きな特徴です。一般内科であれば食思不振や自殺企図による急性薬物中毒、明らかな社会的入院なども入院の適応としてくれます。一般外科も多発外傷や蜂窩織炎、さらに手術適応とはならないような原因不明の腹痛なども入院を受け入れてくれます。こういった背景があるから、我々ER医が大きなストレスや負担を感じることなく『すべての救急車を必ず受け入れる』という至極当然であるはずのことが可能となっています、ありがたいことです。

2) しかし各科の専門医が充足しているわけではありません。2010年夏時点において、循環器内科、神経内科、腎臓内科、小児科、心臓血管外科、整形外科などの各指導医は一人ずつですし、眼科、耳鼻科、形成外科などは常勤医がいません。救命救急センターなどのようにその病院だけで完結することが困難な症例もあります。この状態をストレスと感じる人もいるかもしれませんが、これこそが当院ERの特徴であり楽しいところです。つまり入院病床を持たないいわゆる北米型ERの形式をとりながら、心不全の治療、四肢骨折の直達牽引や骨盤の創外固定、指切断の断端形成、小児のover night管理など、初期治療+αを自分たちの裁量で行うことができます。一言でいえばおいしいとこだけ持っていきます。そのためには当然専門医に太刀打ちできるだけの力量と技術を身につけなければなりませんが。

3) 当院はACLS発祥の地です。当院の前救急総合診療部長である青木重憲先生が1992年に米国から当院に持ち込んで日本に広めたものです。現在でもBLSやACLS、PALSの講習は当院でも行われており、希望があればインストラクターとなることも可能です。

4) 風光明媚な湘南地区に位置する病院です。夏になるとサーフィンをする人々が水着でそのへんをうろうろしています。駅からも徒歩5分圏内にあり、茅ヶ崎駅からは横浜まで30分、東京や新宿までちょうど1時間です。

5) 2012年予定ですが、辻堂駅前に新築移転の予定です。さらにきれいな病院でERもより快適に仕事しやすい環境となります。

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後期研修カリキュラム

詳細は当院のホームページのER部門やSCEP(=Shonan College of Emergency Physicians:湘南鎌倉総合病院ERと当院ERで作ったER医の集まり)のホームページを参照として下さい.下記にローテートの一例と,いくつかの特徴を記載しておきます.

ローテーションの一例(4年計画の場合の一例です.S1=後期研修1年目)

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特徴としては
・総合診療部としての基礎を内科で学んでもらう
・僻地医療の体験も可能.僻地離島研修!!
・ローテート中もERでの研修を適宜間にはさむようにしてもらう
・ERの研修は湘南鎌倉での研修も可.
・小児科,整形外科,集中治療,その他いくつかの研修は外部組織での研修が可能.
・小児科:千葉西総合病院(年間小児受診8万人!!),福岡徳洲会病院など
・整形外科:湘南鎌倉総合病院など
・集中治療:聖マリアンナ医科大学附属病院など
・麻酔科、眼科、耳鼻科、皮膚科、精神科などの研修も大歓迎.
・最終学年である4年目はERチーフレジデントとして、ER業務を統括・管理する

一言でいうと『自由』です.本人がしたい研修をしていただけます。他病院でのローテート中の給料もある程度保証されますので安心して研修できます。ちなみに僻地離島研修は徳洲会系の病院で後期研修する人は何科であろうと行くことになっています。しかしERを目指す人にとっては間違いなくプラスとなるでしょう。行く場所としては奄美大島とその周辺の島々とか、東北の山間の病院とかいろいろです。

カンファレンス/レクチャー

【ER Conference】
ERスタッフおよび後期研修医によるERローテーターに対する講義またはカンファレンス。毎月1回はJournal Clubとして最新の論文(毎回4~6編)の抄読会、また同様に月1回はERローテーターによる症例発表形式のカンファレンスを行います。このカンファレンスには他科のスタッフまたは他院の総合内科医などが参加します。

【湘南地域救急医療合同カンファレンス】
2か月に1回程度、藤沢市民病院にまわりのいくつかの病院から集まって救急症例カンファレンスを行います。特色としては救急隊が多く参加することであり、実際に顔を合わせて救急症例のフィードバックを行うことにより綿密な連携を図れます。

【Ground Rounds:毎週水曜日7:30~8:15】
各科専門医が最新のトピック、治療法などの講義をしてくれます。院内のほとんどの医師が参加します。

【Core Conference:毎週水曜日12:00~13:00】
各スタッフによる研修医に対するコアな部分の講義、初期研修医は参加必須となっています。

【Primary Conference:毎週木曜日7:30~8:15】
2年次研修医から1年次研修医へのレクチャーとなる講義、主としてERスタッフがこの講義の監修を行っています。

【国内外からの招聘講師による教育カンファレンス】
これは当院の特徴ですが、以前より様々な内外の講師を招聘してカンファレンスを行っています。そういったカンファレンスへの参加は当然自由です。

例)
・Dr.Lawrence Tierney:California大San Francisco校教授、あのCurrentの著者!!

Dr.Tierney

・Dr.Gurpreet Dhaliwal:California大San Francisco校

Dr.Dhaliwal

・Dr.Lo(羅先生):North Dakota大学感染症科
・Dr.Shah:元ボンベイ医大教授(心臓病)
・青木眞先生:いわずと知れた『レジデントのための感染症診療マニュアル』の著者。
・その他多数
・その他M&Mカンファレンス:不定期

反省症例、勉強になる症例などがあった場合に、当該科の専門医と協力してカンファレンスを開き皆でその症例を共有します。

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センター概要

【概要】
・名称:湘南藤沢(茅ヶ崎)徳洲会総合病院 救急総合診療部
・所在地:〒253-0052 神奈川県茅ヶ崎市幸町14-1
・Webサイト:http://fujisawatokushukai.jp/department/er
・研修責任者名:北原浩
・スタッフ&シニアレジデント数(女性医師数):部長1名、医長1名、スタッフ3名、後期研修医2名、内女性1名

【勤務体制】
7時および19時にIn/Outカンファレンス(申し送り)があり、基本的にはその間の勤務となります。その間はスタッフも常駐しています。それ以外に19時から7時の当直に入ることがありますが、その場合は夕から出勤して、朝のIn/Out終了後までの勤務となります。祝祭日は月に1,2回の日勤をします。病棟を持たないので、In/Outが終了したら基本的に自由時間となります。

【年間救急車搬送件数&救急受診総数(2009.4月~2010.3月)】
・年間の救急車搬送件数:6,322件
・年間のWalk inでの救急受診者数:23,252件

【ICU、独自ベッドの有無】
ICUはERでの管理ではなく各科で管理しています。独自ベッドもなく、入院患者は全例コンサルトした上で他科管理となります。観察室でのOver nightの経過観察はERのみで行うこともあります。ER初療室のストレッチャーは7床、ERの隣にある観察室が7床です。

学生実習、研修医見学の連絡先

昼でも夜でも随時見学可能,お問い合わせ下さい。

【連絡先】
茅ヶ崎徳洲会総合病院 管理棟3階医局 臨床教育部事務局宛
・臨床教育部:具伊 TEL:090-2491-0362,0467-85-6201,address:dr_edu@ctmc.jp
・ERスタッフ:若井 address:rocketronnie147@yahoo.co.jp

簡単な自己紹介、改め他己紹介

紹介するのは当院で2010年春にERチーフレジデントを終了し、現在スタッフとして働いている田口先生です。

田口先生は当初よりERというものにあこがれを抱き、2004年に当院初期研修医として就職。2006年には当院2人目のER後期研修医として研修開始となりました。初めの1年間は当院内科研修、その後は当院でいくつかの科および整形外科(@湘南鎌倉)、小児科(@千葉西)、集中治療(@聖マリアンナ)などの研修を重ね、2009-2010よりチーフレジデントとしてERを統括・管理していました。

ERスタッフとなった現在は、ERでの診療業務の他に、ACLSやPALSのインストラクターや、ICU管理の勉強をしています。将来の希望として集中治療もやっていきたいとのことで、最近は低体温療法を導入しようと奔走しています。

特徴としては一言でいえば『使える男』です。専門を持たず手術やカテーテル治療ができるわけでもありませんが、様々な側面があるERの業務をそつなくこなす『ER専門医』です。率先して行っている院内でのミニACLS講習会をも好評です。最近はICUを中心として病棟でも信頼を得てきて、しょっちゅう呼ばれては緊急対応しています。さらにERでは必須の才能ですが、とても『いいひと』です。各診療科の難しい先生方と相対しても、トラブルを起こすことはまずありません。

こういった医師が多くいれば日本のERの未来も明るいんじゃないかなぁなんて思う今日この頃です。みなさんも当院で後期研修をすれば、こんな素敵なER physicianになれる…、かもしれません。ぜひ一緒に働きませんか。

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