2024.09.03

EMA wellness week 2024

EMA Wellness Week 2024
あなたもオリンピアン?!オリンピック選手も実践しているメンタルトレーニングを実践してみよう!


 

今年はオリンピックイヤーでパリオリンピック・パラリンピックでは連日白熱した戦いを見ることができましたね!中にはオリンピック選手の強靭な精神力に感心する場面もありました。
そして、オリンピック選手のように白熱した日々を過ごしている救急医も多いことでしょう!
そこで、EMA Wellness Week2024では、ハイパフォーマンススポーツセンターというオリンピック選手などをサポートする国の組織のHPを参照し、オリンピック選手も実践しているメンタルトレーニング技法を私たちに活かせる形にしてみました!この期間に是非実践していただき、救急外来でのベストパフォーマンスを目指しましょう!

1. Square Breathing Techniqueでリラックス
良いパフォーマンスを行うためには、緊張や興奮のレベルは高すぎても低すぎても良くありません。緊張や興奮が高すぎると力みや焦り、注意散漫などに繋がります。緊張や興奮が強い時にはリラクゼーションによって気分を落ち着かせます。呼吸法はリラックスの基本で、以前Essential for usのマインドフルネストレーニングの項でもSquare Breathing Techniqueの呼吸法をご紹介していますのでご参照ください。
https://www.emalliance.org/emaforus/essential/individual/mindfulness_training


 

また、呼吸法のほかに筋弛緩法というリラックスの方法もあります。筋弛緩法は、力を入れた後に力を抜くことでリラックス感を得ます。どこの部位でも大丈夫です。
肩:8割くらいの力で肩をすくめて数秒間キープし、その後力を抜く
顔:顔面に力を入れて、その後抜く
手:握り拳を作り、その後抜く

2. 肩を軽く叩きサイキングアップ
緊張や興奮のレベルが弱すぎるとぼーっとしたり、集中できなくなったりします。そのような時にはサイキングアップによって気分を高揚させます。気分を盛り上げるためには心拍数や体温をあげることが必要です。例えば「自分の体、肩などを軽く叩く」という方法はすぐに取り入れられます。他にも、速く短い呼吸をするなどがあります。

3. 注意や集中を切り替えるキューワード「よし!やろう!」
 ミスをした時や他のことに注意が向いてしまう時に、短時間で注意や集中を切り替えるための技法です。キューワードとは、狙いとする動作や心の状態を引き出す手掛かりとなる言葉です。「自分は自分」と心の状態を表す言葉や、「よし!いこう!」など気を引き締める言葉があります。その他、「◯◯を見たら集中する!」と視線を向ける対象をあらかじめ定めておくような方法もあります。

 

4. 5分間目を閉じて何も考えずに今の自分に注意を向ける
 集中力を高めるために、どこか1点に注意を向けるようなトレーニングが効果的です。「目を閉じて、何も考えずに今の自分に注意を向ける」、「視線を定めてそこだけに注意を向ける」など、最初はそれらを短い時間で行い、継続的に集中できるようになったら徐々に5分程度まで時間を増やしてみましょう。

5. 手技のイメージトレーニング
 現実に近いイメージトレーニングをすることが大事です。視覚だけでなく、触覚、身体感覚、こころの状態などを鮮明にイメージしましょう。また、自分の意図した通りにイメージをコントロールすることも重要です。イメージが終わったら、できたところとできなかったところについて、理由を考えていきます。

6. うまくマネージメントできた勤務のパフォーマンス分析
 良いパフォーマンスが出来た時の自分の心理状態を理解することは、最高の心理状態を作り出すための大切な手がかりとなります。3分程度で良いパフォーマンスが出来た時のこころの状態、身体の状態、自分の置かれていた状況、患者の様子、同僚や他職種の様子などを思い出してみましょう。そして、思いついた事柄を付箋などに記し、関連や順序などを考えて並べ替え、グループで囲むなどして整理し、分析してみましょう。それにより心身とパフォーマンスの結びつきが確認できます。
例えば、A C Sの患者に対し発症から60分以内にP C I施行し、再灌流療法に至ったとします。そのパフォーマンス分析は下記のようになります。


 

このようなメンタルトレーニングの技法は継続的に続けることで効果を発揮します。EMA Wellness Week2024で体験してみた後は是非日常的に取り組んでみてください。

参考:メンタルトレーニング技法の紹介. ハイパフォーマンススポーツセンター
https://www.jpnsport.go.jp/hpsc/study/sports_psychology/tabid/1473/Default.aspx