2019.06.12

EMA症例98:6月症例 58歳代男性 呼吸苦

<症例>
あなたはある二次病院で、内科系当直医として救急対応中です。ほかには1年目の研修医が1名おり、外科当直医は院内で待機しています。呼吸苦を訴える患者の搬送があり対応することとなりました。

【症例】58歳男性
【主訴】呼吸苦
【現病歴】
ADL自立、妻と二人の子供と同居。3日前より全身倦怠感と咳嗽を認めていた。昨日より呼吸苦を伴い食事摂取および内服ができなくなった。本日になり呼吸苦がさらに悪化したため、救急要請となった。

【既往歴】高血圧、糖尿病、アルコール性肝障害
【内服歴】アムロジピン10mg アジルサルタン40mg メトホルミン塩酸塩1000mg ビルダグリプチン100mg
【アレルギー】なし
【バイタルサイン】
GCS E3V3M5 HR 110bpm BP 110/50mmHg RR 44/min SpO2 85%(10Lリザーバーマスク) BT 39.9℃

【身体所見】
General appearance: Sick
身長160cm 体重98kg 
頭頚部 眼瞼結膜蒼白(―) 眼球結膜黄染(―) 口腔内やや乾燥 義歯あり 短頸
呼吸音 左背側肺野でcoarse cracklesを聴取 wheeze(―)
心音 S1→S2→S3(―)S4(―) 心雑音(―)
腹部 平坦 軟 腸蠕動音生理的 圧痛(―)
四肢 浮腫(―) 紫斑紅斑(―)

【動脈血液ガス】
pH 7.30, PaO2 56Torr, PaCO2 50 Torr, HCO3 22.3mmol/L, Lac 4.2mmol/L, Hb 13.6g/dL, Glucose 221mg/dL

【胸部レントゲン】
心拡大(―) 左肺野全体に浸潤影 気胸(―) 胸水(―)

【経胸壁心エコー】
Visual EF 60%, asynergy(-), Pericardial&Pleural effusion(-), AR(-), MR(-), TR(-)

状態安定化のために気管挿管を行うこととなった。