2019.11.14

EMA症例87:7月症例 73歳 女性 発熱、呼吸困難

【主訴】発熱、呼吸困難
【症例】73歳女性
【現病歴】
 腰椎圧迫骨折のため搬送10日前から前医に入院。その際すでに38.0℃程度の発熱があったが、座薬で解熱鎮痛薬を用いて経過をみられていた。その後の入院中も解熱と37度台の発熱を繰り返していた。搬送当日は体温が38.9℃まで上昇し、SpO2が室内気で50%まで低下したため当院に搬送された。搬送前にCPZ/SBTの投与がなされているが、それ以外に抗菌薬投与なし。もともとParkinson病を指摘されており、最近病状が進行し、食事中にむせることが多かった。

【既往歴】高血圧、Parkinson病、脳挫傷、第一腰椎圧迫骨折
【内服】アルファカルシドール、レボドパ/カルビドパ水和物、セレギリン塩酸塩、アジルサルタン/アムロジピン合剤、レボカルニチン、ゾルピデム酒石酸塩、トコフェロール酢酸エステル、抑肝散加陳皮半夏、エピナスチン塩酸塩、酸化マグネシウム
【生活歴】飲酒:なし 喫煙:なし ADL:食事、入浴、排泄に介助必要
【身体所見】
意識レベル:GCS E4V5M6 
バイタルサイン:体温:37.6℃,血圧:129/83mmHg,心拍数:94回/min
        呼吸回数:30回/min,SpO2 99% (酸素マスク5L/min)
顔面:口唇チアノーゼなし
頸部:鎖骨上窩、胸骨上窩の陥没呼吸あり
胸部:右肺で呼気終末のWheezeと呼吸音減弱
   左肺で強いcoarse crackle聴取 
   心雑音聴取しない
四肢:末梢冷感なし 皮膚チアノーゼなし

<血液ガス検査(動脈血 酸素5L/min投与下)>
pH 7.399, pO2 76.3 mmHg, pCO2 47.2 mmHg, HCO3 28.5 mmol/L
Lac 16 mg/dL

<血液検査>
WBC 7,900/μL, Hb 9.7 g/dL, Plt 19.5万/μL, Neut 87.2%,
CRP 16.05 mg/dL, BUN 16.3 mg/dL, Cr 0.46 mg/dL, CK 28 U/L, BS 120 mg/dL
AST 57 U/L, ALT 23 U/L, ALP 550 U/L, T-bil 0.4, γGTP 147 U/L
Na 130 mEq/L K 3.6 mEq/L, Cl 92 mEq/L, Ca 8.3 mg/dL

<胸部レントゲン>

<尿検査>
pH6.5, 潜血1+, 蛋白±, 白血球–, 細菌–
尿中肺炎球菌抗原-
尿中レジオネラ抗原-

<喀痰グラム染色>
Geckler 3, GPC+(clusterや連鎖状のものが混在), GPR–, GNC–, GNR–

ここまでの病歴を読んで以下の質問に答えてください

追加で胸部CTを施行し、種々の微生物培養検査等を提出しました。胸部CTの結果を提示します。

<胸部CT>