2020.01.17

EMA症例8:9月症例 25歳女性 - 5日前より嘔吐のある精神科疾患を持つ患者。疑う者は…

皆様こんにちは。EMA症例担当グループより、9月の症例提示をさせていただきます!

【症例】25歳 女性

【主訴】嘔吐

【現病歴】受診の5日前から嘔気が出現。2日前にも嘔気を主訴にER受診したが、有意な身体所見は認めず、血液検査も特記すべき異常なし。補液で症状が改善したため帰宅となった。
しかし、その後も嘔吐を繰り返すためERを再診。

【既往】解離性障害で精神科通院中 薬物大量服薬

【内服】パキシル(fluoxetine) 30mg/3 レキソタン (bromazepam)

【来院時所見】体温:36.7度 血圧:138/80mmHg 脈拍:126回/分 SpO2:99%(room)
ややうつろな表情だが、受け答えは問題なし
結膜:貧血(-) 黄疸(-)
胸部:ラ音なし
腹部:平坦 腸蠕動音弱い 圧痛なし
四肢:麻痺なし 失調症状なく歩行可能

【経過】嘔気はあるというが、実際に嘔吐はなく空上げのような状態。腹部所見や神経所見は乏しかった。頻脈は少し気になったが、点滴をしながら経過観察をすることに・・・。しばらくして経過観察用のベッドを訪れると、勝手にERを離れて外出している。担当医師は重症感はないと判断し帰宅OKの指示を出した。

ところが、その2時間ほど後、別の医師がベッドを覗くと、呼びかけに反応せず、眼球を上転させている患者を発見!

その際のバイタルが 体温:37.0度 血圧:90-100/60mmHg 脈拍:130-140回/分 洞調律 整 SpO2:99%(room)

さて、何を考え、どのようにマネージメントを進めていきますか?