2019.11.14

EMA症例73:5月症例 70歳代女性 気分不良・血圧低下

【症例】70歳代女性
【主訴】気分不良・血圧低下

【現病歴】
透析病院で透析開始直後に血圧低下し胸部不快を訴えたため透析病院医師より診察依頼あり。透析は途中で終了し、救急車で当院に搬送となった。

本人の自覚症状としては、倦怠感・気分不良・胸の違和感。黒色便は自覚していない。
これまでも何度か立ちくらみを覚え、ふわっと意識が遠のくことがあった。

【既往歴】
高血圧症 発作性心房細動(アブレーション後) 
慢性腎不全(受診2か月前から人工透析開始、週3回3時間・1~1.5kg除水)

【内服薬】
ビソプロロール、ピタバスタチン、モサプリド、テプレノン、センノシド、イコサペント酸エチル、トコフェロールニコチン酸、エチゾラム、ボノプラザン、バイアスピリン、酸化マグネシウム、

【生活歴】
飲酒歴:なし 喫煙歴:なし

【家族歴】
糖尿病:叔父・叔母、狭心症:父 
高血圧・脂質異常症・腎疾患・突然死:なし

【来院時身体所見】
ややしんどそう 顔色不良 小柄・やせ形 意識清明 
体温36.9℃,血圧 86/54mmHg,脈拍 135回/分 (不整),SpO2 92%(1L酸素投与) 呼吸回数 22回/分

結膜:貧血あり
胸部:呼吸音 正常,心音 心雑音聴取せず 
腹部: 平坦・軟 圧痛なし
末梢:左前腕にシャントあり やや冷汗あり 両下肢浮腫 著変なし

【来院時の心電図】

73-1

【その後の経過】
末梢ルート確保を行い、生理食塩水の点滴投与を開始したと同時に血液検査を実施した。
過去に何度も入院歴・受診歴のある患者であるが、心筋逸脱酵素を含め過去の検査と比較して大きな変化を認めなかった。心臓超音波検査を実施したが、明らかなasynergyは認めなかった。
来院から約30分経過、血圧 120/70mmHg,脈拍 149回/分(不整) の状態。モニター波形は変化していない。
 
 さて、このあとどうしましょうか…