2019.11.14

EMA症例72:4月症例 40歳女性 発疹

【症例】40歳女性
【主訴】発疹
【現病歴】4月の穏やかな昼下がりに、ある患者が独歩で来院してきた。現在あなたは新入職の初期研修医の指導をしている。そこにトリアージの看護師が「本人が辛そう」「初療ベッドに患者を運びたい」とあなたに相談してきた。問診票には「本日朝から発疹」と記載があり、トリアージ時のバイタルは以下。
BP 75/48mmHg、HR 123回/分で整、RR 24回/分、SpO2 98%(room air)、
BT 39.2℃、意識レベル清明。
血圧が低いことからショックの可能性を考えつつ初療ベッドに患者を移すことにした。看護師に静脈路確保と採血、モニター装着を指示しながら患者に話を聞くと以下のようであった。

2日前から発熱しており、発疹は本日朝から出現した。頭痛や胸痛、腹痛、背部痛や動悸症状はない。悪寒を訴えるがROS(Review of Systems)で明らかな感染を疑う症状なし。食欲は落ちているが水分は1日2リットル程度摂取できているとのこと。

【既往歴】なし
【内服歴】なし
【アレルギー歴】なし

【身体所見】
眼瞼:黄疸、貧血なし 咽頭:発赤腫脹なし 頸部リンパ節:腫脹圧痛なし 頸部:甲状腺腫大なし圧痛なし 胸部 呼吸音:清 心音:清 腹部:平坦軟で腸雑音正常、圧痛なし 背部:CVA叩打痛なし 末梢:温かい、下腿浮腫なし、皮膚:全身に浸潤を触れないびまん性の紅斑を認め、頸部には粟粒大の白色膿疱が散在している

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