2019.11.19

EMA症例63:7月症例 20歳女性 主訴:嘔吐

20歳女性 主訴 嘔吐
天気の良い忙しい真夏の日曜日に救急車が一人の患者を搬送してきた。現在あなたは他に大腿骨頸部骨折疑いで検査中、小児腹痛患者でレントゲンを撮影中という2人の患者を抱えている。他のレジデントの手が空いていないため、あなたが診療することとなった。救急隊によると本人の訴えは嘔気、嘔吐、全身倦怠感とのことである。病歴および身体所見は以下の通りであった。

来院3日前から全身倦怠感、嘔気を認めていた。2日前に嘔吐を1回認めた。
前日は食欲不振で1日でパンとおにぎりを1個ずつしか摂取できなかった。
来院日当日に外出中に、全身倦怠感が悪化し裏道で3回嘔吐した。そのまましゃがんでいたところ通行人が救急車を要請してくれたとのこと。
自宅はクーラーを24時間つけている。自覚症状としては発汗、動悸、体重減少でその他症状なし。感染症状なし。妊娠の可能性は100%ない。
既往歴 バセドウ病 内服歴 なし アレルギー歴 なし

来院時BP147/81mmHg HR145回/分、整 RR19回/分 SpO2 94%(ルームエアーにて) BT38.2℃ 意識レベル清明
眼瞼:黄疸、貧血なし 眼球突出あり 咽頭:発赤腫脹なし 頸部リンパ節:腫脹圧痛なし 頸部:甲状腺腫大あり圧痛なし
胸部 呼吸音:清 心音:清 腹部:平坦軟で腸雑音正常、圧痛なし 末梢:温かい、乾燥、下腿浮腫なし、発疹なし