2019.11.19

EMA症例59:3月症例 腹痛の画像を読み解こう!

74歳 男性
主訴:腹痛
現病歴:
来院前日の夜から2/10程度の腹痛を自覚していた。
来院当日の昼食後から臍周囲の腹痛が徐々に増悪し10/10となった。
痛みも持続性となったため救急車要請となった
痛みは臍周囲から心窩部が強く、下腹部に軽度
下痢・嘔吐なし
最終の排便は前日の昼

増悪寛解因子
・排便では楽にならなかった。
・食事はほとんど摂れていないため増悪因子かはっきりしない
前日の食事は昼、夜ともに生食なし。普通の和食であったとのこと。麺類などの摂取なし

飲酒・喫煙
機会飲酒、喫煙なし

既往歴(手術歴込)
頻脈性心房細動
甲状腺機能亢進症
3ヶ月前 大動脈弁閉鎖不全に対して大動脈弁置換術後
2年前 胃がんで胃全摘
虫垂炎(切除済み)、左鼠径ヘルニア(修復済み)
数ヶ月前 腸閉塞で入院(手術なし)

内服
テノーミン
メルカゾール
ワーファリン

アレルギーなし

意識清明
BP145/70mmHg HR 62回/分 BT36.9℃ SpO2 98% RR 28回/分
腹部
左鼠径部、右下腹部、腹部正中に手術痕あり
蠕動音は正常
臍上部に圧痛、同部位に拡張した腸管を触知、圧痛あり、筋性防御は限局性に軽度に認める。
下腹部にも軽度の圧痛あり

血液検査
血算
WBC 9900 /μl Hb 11.7 g/dl Plt 27.3万/μl
生化学
Na 136mEq/L K 4.0mEq/L Cl 99mEq/L UN 16.2mg/dl Cre 1.67mg/dl ALB 3.6g/dl CRP 0.68mg/dl
CK 55U/L LDH 279U/L
血ガス(静脈)
pH 7.395 PCO2 48.7mmHG PO2 27.6mmHG HCO3 29.2mEq/L Lac 26.9mg/dl

胸部レントゲン
明らかな異常なし

胸部ECG
前回入院時より明らかな変化はなし

腹部エコー
gazou20160329

腹部超音波で限局性に拡張した小腸を認めto and floがあった。
癒着性の小腸閉塞も考えられたが痛みが強く、嘔吐が全く見られていないことなどから造営CTを撮像することとなった。

CT
動画はこちら〈別ページで開きます〉


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