2020.01.17

EMA症例55:11月症例 25歳女性 主訴:右耳痛

ある日救急外来で、あなたは救急後期研修医として勤務中です。やっと混雑が落ち着いてきた深夜にカルテ記載を行っていたところ、耳の痛みを自覚する患者の相談を初期研修医から受けた。カルテには以下の通り記載されていた。

25歳女性 主訴:右耳痛

来院前日夕方からの38度発熱、咽頭痛、右耳痛、頭痛、鼻汁、咳嗽を認めた。
同日に耳鼻科に受診し、レボフロキサシン500mg/1、デキストロメルファン臭化水素酸塩水和物15mg 3T/3、カルボシステイン500mg 3T/3、アセトアミノフェン400mg頓用を処方された。
本日になって右耳の痛みが増悪したため救急外来に受診した。
難聴なし 悪寒戦慄なし 周囲での感染の流行なし 

既往歴 中耳炎、喘息
内服歴 普段はなし
アレルギー歴 なし

来院時BP156/109mmHg HR126回/分 RR24回/分 SpO2 99%(ルームエアーにて) BT37.1℃ 意識レベルE4V5M6
全身状態:良好
眼瞼:黄疸、貧血なし 耳:右耳牽引痛あり、右耳介に発赤はないが耳介後部に発赤あり、右鼓膜に発赤腫脹あり 鼻:明らかな異常なし 咽頭:発赤腫脹なし、扁桃に白苔付着なし、開口障害なし 頸部リンパ節:腫脹圧痛なし 頸部:項部硬直なし
胸部 呼吸音:清 心音:清 腹部:平坦軟で腸雑音正常、圧痛なし 末梢:温かい、発疹なし

初期研修医は耳介に牽引痛があり、鼓膜に発赤を認め、中耳炎を繰り返し起こす既往もあり急性中耳炎だと思うので帰宅させたいとコンサルトしてきた。