2020.01.17

EMA症例48:3月症例 60歳男性ふらつき

ある日の午前中、救急外来(CTは救急外来と同じフロア、MRI室は少し遠い))に次のような患者さんが救急搬送されてきました。

60歳代男性

【主訴】ふらついた

【現病歴】
来院数日前からのどの違和感を感じていた
来院当日の朝、トイレに行こうと廊下を歩いていたら、何となく両下肢に力が入りにくい感じがしてふらついて座り込んだ。意識消失はなく、どこも打撲はしていない。失禁なし。
物音がしたことに気が付いた家人により救急要請。
自分で歩いて救急車に乗り込んだ。救急車内で一度嘔吐あり。胸痛・胸部絞扼感のエピソードはなく、救急車内の12誘導心電図では明らかな異常所見を認めなかった。頭痛・咳嗽・腹痛・下痢を認めず。

【既往歴】脳梗塞 糖尿病 高血圧
【生活歴】喫煙歴:なし 飲酒歴:機会飲酒 アレルギー歴:なし

【バイタルサイン】BT 35.5℃、PR 110/min 整、BP 160/109 mmHg、SpO2 95%(室内気)、呼吸回数 20/min

【来院時現症】
眼瞼結膜に貧血なし、眼球結膜に黄染なし
咽頭粘膜:軽度発赤あり 白苔なし、やや声がかすれている
頚部リンパ節:腫大なし、圧痛なし
胸部:呼吸音・清明 心音・雑音なし
腹部:圧痛なし

意識清明
瞳孔:3/3 対光反射 +/+
筋力:四肢の筋力低下なし
感覚:右顔面と左足先の感覚が鈍い気がすると
Babinski反射:-/-