2020.01.17

EMA症例47:1月症例 発熱と意味の分からない事を言っています。

ある日救急外来で勤務中のあなたはトリアージ中の看護師に独歩で来院した患者の調子が悪そうだと報告を受け診察を開始した。

53歳男性が発熱、意味の分からない会話をするとの家族の訴えで受診したようだ。
職業は長距離運送の運転手。
来院2日前に運転中に長距離で出かけている時に電柱にぶつかる事故をおこし、その時の会話が成り立たない様子あり、警察から遠くに住んでいる家族に連絡があった。
来院1日前に家族が事故を起こした警察まで本人を引き取りに行った。
すると本人の耳がきこえにくい様子で、また時折意味の分からない会話をするようであった。
本日になって39度発熱を認め当院救急室に家族付き添いの上、独歩で受診した。
陽性症状:頭重感、数日前からの下痢症状、2年前から腰痛
陰性症状:嘔気、嘔吐、鼻汁、咽頭痛、咳嗽、胸痛、動悸、呼吸苦、腹痛、頻尿、残尿感、排尿時痛、関節痛、筋肉痛

既往歴 腰椎ヘルニア
内服歴 なし
アレルギー歴 なし
生活歴 アルコール 焼酎1日3合/日 喫煙なし

来院時BP95/52mmHg HR74回/分 RR30回/分 SpO2 93%(ルームエアーにて) BT40.5℃ 意識レベルE3V4M6
全身状態:そこまで悪くなさそうだが発熱でつらそう
眼瞼:黄疸、貧血なし、点状出血なし 咽頭:発赤わずかで腫脹なし う歯なし 頸部:頸静脈怒張なし、項部硬直なし、リンパ節腫脹なし
胸部:右下肺にクラックルあり 心音:心雑音なし
腹部:平坦軟で腸雑音正常、圧痛なし 陰部:異常なし
背部:脊椎椎間関節に圧痛なし CVA叩打痛なし
関節:異常なし
末梢:温かい、発疹なし

動脈血ガス結果:pH 7.498 PCO2 19.0mmHg PO2 95.7mmHg HCO3- 14.4mmol/ℓ BE -6.5mmol/l Lac 10.7mg/dl
WBC 7200(Seg 78% Stab 11%) Hb 12.6 Hct 33.4 Plt 16.7×104 UN 56.8 Cre 2.99 AST 568 ALT 97 T.Bil 0.4 Glu 110 Na 123 K2.3 Cl 89 CK 2167 LDH 746 CRP 30.44mg/dl

その他の血液検査、尿検査で明らかな異常を認めず
頭部CTでも明らかな異常を認めなかった。
レントゲン撮影にて以下の画像を認めた。

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