EMA症例39:4月症例 60歳男性 - おなかがいたくてふらつくのですが。
(2014年4月症例)
60歳男性 主訴:失神
現病歴:お持ち帰りの弁当を食べた直後から気分がすぐれないので、横になっていた。腹部の間欠痛を感じ始めトイレに行こうとしたが、行く途中に意識消失。すぐに意識が回復し(本人によると15秒以内)、トイレにたどり着いたもののトイレにて再度意識消失(奥さんによると30秒以内)。排便はしていない。倒れた際の音を聞きつけた奥さんが救急要請。この際に明らかな痙攣様動きなく、意識も回復。救急隊到着時には意識は回復していたが、ふらつきとともに腹痛、軽度の呼吸苦(喉の腫脹感)と頭痛を訴えていた。胸痛や動悸はなし。現場での血圧:70/42
既往歴:高血圧、高尿酸血症、偏頭痛
薬歴:コルヒチン、スマトリプタン
アレルギー:薬剤アレルギーなし
BP:66/42mmHg、HR:66/min、RR:20/min、BT:36.1℃、SpO2:99%(RA) (モニター接続済み)
第一印象:倦怠感あり
頭頚部:前頭部に擦過傷あり、後頚部中線上に圧痛なし、頚静脈怒張なし
瞳孔:対光反射+/+、3mm/3mm
口腔内:明らかな浮腫なし
頸部:stridorなし
胸部:呼吸音wheezingなし、心音 整、雑音なし、異常心音なし
腹部:平坦、軟、全体的に軽度圧痛あるもrebound/guardingなし
四肢:浮腫なし、冷汗なし
神経:意識清明、明らかな顔面・四肢麻痺なし
皮膚:皮疹なし
「ドタバタåしているうちに患者さんの奥さんが到着。「あなた、また何かアレルギーあるもの食べたでしょ。」と一言。「この人、以前にタマネギを食べたときに同じようにお腹が痛くなって、ふらふらすると言っていたので病院行ったらアレルギーでしょうと言われまして。今回もどうせアレルギーでしょ?」
すぐに施行された心電図や超音波では、明らかなMI・心機能異常や腹部大動脈瘤なし。