2020.01.17

EMA症例39:4月症例 60歳男性 - おなかがいたくてふらつくのですが。

(2014年4月症例)
60歳男性 主訴:失神

現病歴:お持ち帰りの弁当を食べた直後から気分がすぐれないので、横になっていた。腹部の間欠痛を感じ始めトイレに行こうとしたが、行く途中に意識消失。すぐに意識が回復し(本人によると15秒以内)、トイレにたどり着いたもののトイレにて再度意識消失(奥さんによると30秒以内)。排便はしていない。倒れた際の音を聞きつけた奥さんが救急要請。この際に明らかな痙攣様動きなく、意識も回復。救急隊到着時には意識は回復していたが、ふらつきとともに腹痛、軽度の呼吸苦(喉の腫脹感)と頭痛を訴えていた。胸痛や動悸はなし。現場での血圧:70/42

既往歴:高血圧、高尿酸血症、偏頭痛

薬歴:コルヒチン、スマトリプタン

アレルギー:薬剤アレルギーなし

BP:66/42mmHg、HR:66/min、RR:20/min、BT:36.1℃、SpO2:99%(RA)  (モニター接続済み)

第一印象:倦怠感あり

頭頚部:前頭部に擦過傷あり、後頚部中線上に圧痛なし、頚静脈怒張なし

瞳孔:対光反射+/+、3mm/3mm

口腔内:明らかな浮腫なし

頸部:stridorなし

胸部:呼吸音wheezingなし、心音 整、雑音なし、異常心音なし

腹部:平坦、軟、全体的に軽度圧痛あるもrebound/guardingなし

四肢:浮腫なし、冷汗なし

神経:意識清明、明らかな顔面・四肢麻痺なし

皮膚:皮疹なし

「ドタバタåしているうちに患者さんの奥さんが到着。「あなた、また何かアレルギーあるもの食べたでしょ。」と一言。「この人、以前にタマネギを食べたときに同じようにお腹が痛くなって、ふらふらすると言っていたので病院行ったらアレルギーでしょうと言われまして。今回もどうせアレルギーでしょ?」

すぐに施行された心電図や超音波では、明らかなMI・心機能異常や腹部大動脈瘤なし。