2020.01.17

EMA症例36:1月症例 38歳女性 - 嘔気。病歴が大切。

(2014年1月症例)

【症例】38歳女性
【主訴】嘔気
【現病歴】
 ADL自立した中肉中背女性。配偶者、子供と生活している。来院日当日の朝から嘔気を自覚していた。嘔吐はしていない。昼になり心窩部痛も出現して来たために救急外来を独歩受診。目眩や耳鳴、難聴はない。頭痛無し。下痢なし。海外旅行なし。生もの摂取は最近していない。周囲に胃腸炎の人はいない。
これまでにも1ヶ月に一度程度の頻度で、嘔吐下痢を来すことがあり、たびたび病院受診をしていた。受診回数は20回を超えている。これまでは胃腸炎と言われており、今回の嘔気と心窩部痛はその時の症状と同じである。

【既往歴】
橋本病 1年前 近医で内服加療中
【内服】
レボチロキシン(チラージン®)
【アレルギー】
薬ではない
甲殻類でじんましん
何度か誘因なく口唇が腫れてクインケ浮腫を指摘された事がある
【生活歴】
喫煙:20本/日 飲酒:なし
最終月経:来院の8日程度前から

【来院時身体所見】
体温35.7℃ 血圧144/84mmHg 脈拍81回/分
呼吸回数18 SpO2 96%(room air)
意識清明 全身状態不良 苦悶様顔貌
眼瞼結膜貧血なし 眼球結膜黄染なし
咽頭発赤なし 口腔粘膜湿潤
頸部リンパ節腫脹なし
呼吸音・心音異常なし
腹部:平坦・軟 腸蠕動やや亢進 腫瘤は触れない 心窩部に圧痛あり
 反跳痛なし 筋性防御なし
皮膚:冷汗なし 浮腫なし 皮疹なし

【検査所見】
腹部エコー
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