2020.01.17

EMA症例31:8月症例 77歳女性 - イレウス疑いで紹介されたけど???

(2013年8月症例)

77歳 女性

【主訴】腹部膨満(近医よりイレウス疑いにて紹介)

【現病歴】
認知症があり、もともと意思疎通は難しく、介助でなんとか歩行可能な方。
受診の1週間ほど前から微熱があり、2日前には38℃台の発熱を認めたため、
近医で尿路感染症として抗生剤の点滴を施行された。
受診当日、腹部の膨満を認め、「イレウス疑い」として紹介となる。

【既往歴】
大腸癌にてストマ造設
上記手術後にイレウス

【身体所見(バイタルと第一印象)】
BT:36.8℃ HR:81/min BP:168/85mmHg SpO2:91%(RA)→100%(経鼻2L)
頻呼吸や努力呼吸ではない
意識レべル:E4V2M5
採血などの処置で痛がって声は出すが、指示には従えない

さてここまでで・・・

【身体所見(続き)】
胸部:呼吸音清
腹部:膨満(+) 硬く緊満感あり
   下腹部の触診では声を出して嫌がる素振りあり
   造設されたストマ内に茶褐色の軟便を認める
肛門はオペ後で閉鎖されている 
臀部:腫脹・発赤なし