2020.01.17
EMA症例24:1月症例 53歳男性 - 肘をぶつけてから痛くて・・・
(2013年1月症例)
とある救急病院に金曜日の午前2時、深夜勤中のあなたは患者を4人ほど診療していた。そこに救急隊からの入電があった。
「交番から53歳男性が飲酒後転倒し、左肘をひどく痛がっているため、救急搬送要請。」のこと。
到着後病歴:
53歳男性。既往なし。内服なし。薬剤アレルギーなし。
来院前日17時から、お店にて飲酒開始(おひとり)。来院同日午前1時に、椅子から後方に転倒、左腕を体の下にして落下した。その後から左肘を強く痛めていた。帰宅しようとした際に、財布を友人に渡していたことが判明し、支払いに関連し警察が介入。現場に到着した警察が、左肘をひどく痛がられているため、救急要請した。
当院到着時、「私は転んでない!腕を捻られたと思う!」と訴えていた。
胸痛・頭痛・腹痛・腰痛・頸部痛なし。しびれなし。
転倒時の記憶はなく、目撃者もいなかったとのこと。
来院時現症:
左肘の痛みを強く訴える。その他の身体的な訴えなし。
GCS456 JCS1-1 血圧120/70mmHg 脈拍90bpm
呼吸数12/min SpO2 96%(室内気) 体温35.6℃
心雑音聴取せず。胸部聴診上清。
頭部、頸部、胸部、腹部、骨盤、背部の圧痛や変形をみとめず。
体表面上からの明らかな外傷なし。
左肘の変形あり
左上肢を触ると局在がはっきりしない痛みを訴える。
左肘頭付近に最強点あり。
橈骨動脈触知。Cap refill2秒未満。
左手関節、手指の関節の運動・感覚障害なし。
左上肢の感覚障害なし。