2020.01.17

EMA症例21:10月症例 64歳男性 - 病院内で急変だ!

【症例】64歳男性

【経過1】心臓血管外科の予約造影CTのために来院し、造影剤を使用して検査終了後に咳嗽と顔面発赤が認められました。飲水させてバイタルサインをとりつつ様子を見ていましたが、SpO2が低下して呼びかけに反応がなくなりました。たまたま近くにいた医師がBVM換気を開始しつつER勤務中のあなたにCT室への応援要請をしてきました。

【身体所見】
BP74/44mmHg, HR98/min, SpO274%(大気下), JCSⅢ-200
頭頚部: 顔面に膨疹認める 眼瞼結膜の発赤著明 頸部全体に紅斑を認める
胸部: stridorなし wheezeなし
四肢: 橈骨動脈微弱 大腿動脈触れる

【経過2】薬剤投与し、大量輸液も開始しましたが、下顎呼吸となり頸動脈が触知できなくなったため気管挿管を行いCPRを開始しました。モニター上はPEAです。

【経過3】CPRを行っていると体動がでてきました。2分間胸骨圧迫を行ったのち、モニターをチェックすると洞調律で脈拍は87bpm、大腿動脈を触知できるようになりました。血圧は触診で60mmHg程度です。また、過去のカルテから以下の病歴と薬剤歴を得ました。

【既往歴】
陳旧性心筋梗塞
急性大動脈解離(Debakey Ⅲa)軽快後
胸部大動脈瘤
腕頭動脈瘤
高血圧
脂質異常症

【内服薬】
バイアスピリン100mg1T
アーチスト10mg1T
プラビックス75mg1T
クレストール2.5mg1T
ランソプラゾールOD15mg1T

【アレルギー歴】
特記事項無し