2020.05.13

EMA症例109:5月症例 COVID-19

2020年5月、あなたはとある都市の市街地に位置する総合病院の救急外来で勤務をしている。
この都市では新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染者がしばしば報告され、特定警戒都道府県に該当している。

【症例】55歳男性

【主訴】発熱と呼吸困難

【現病歴】

5日前から37℃台の微熱があり、咳嗽も少しあったため自宅療養していた。
38℃までの発熱が続き、昨日夜から階段昇降などで息切れが生じるようになった。
本日になっても微熱と息切れが続くため、事前連絡の上で当院救急外来を受診した。

最近の海外渡航歴はない。特記すべき移動や接触はなく、周囲で発熱や上気道症状がある人は思い当たらないと話す。
職業は会社員、事務作業が中心で接客は通常行わない。

特に既往歴はなく、健診での異常指摘はない。常用薬もない。
アレルギーや喘息はない。
喫煙は現在も続けており、20本/日×35年。

【来院時所見】
マスクを装着して来院
呼吸数 20回/分、やや大きい呼吸だが努力様ではない
SpO2 90% (room air)、脈拍数 102 bpm (整)、血圧 144/62 mmHg
意識清明、体温 38.1℃ (鼓膜温)