2019.12.12

EMA症例104:12月症例 88歳男性、窒息の疑い

想定付与:

 本日の日勤帯は内科系当直医無し、外科系当直医無し。救急外来担当は初期研修医3名(2年目1名、1年目2名)と貴方だけです。入院は該当科へ依頼も可能ですが、自分で担当することも可能です。

 

病院前情報:

 年の瀬が迫った12月。日曜日13時に搬送依頼の電話が鳴った。施設入所中の88歳男性が食事を喉に詰まらせて心肺停止として救急要請。Bystander CPRあり、AED使用無し。覚知後4分で救急隊員が接触したところ、気道狭窄音あり、RR 32/min、SpO2 73%(R.A.)、HR110bpm、BP158/72mmHg、GCS 9(E2V2M5)、BT36.8度であり、直前まで施設職員による胸骨圧迫が行われていた。

 現場救急隊にて可及的に咽頭異物が除去され、リザーバー付き酸素マスク10L投与でSpO2 90%の状態まで回復したとして搬送依頼となった。現場救急隊の情報では、普段のADLは自立しているとのことで、施設入所時の意思表示として「急変時は病院に搬送、出来る限りの治療を希望する」方針となっている、とのこと。家族は搬送先決定したところで、直接病院に向かう方針で手配済み。救急外来の患者は全員方針決定済み、搬入時点で本症例の他に患者はいない。