2019.09.26

EMA症例101:9月症例 67歳女性 動悸

月曜日、夜中の1時、あなたは救急当直中。
嵐のような週末の夜の救急外来も日付が変わって、やっと落ち着きを取り戻しつつあった。
そんな中、トリアージナースにより優先順位が後ろへ移動させられていたカルテにやっと手が届いた。

67歳女性 動悸

<現病歴>

来院当日の0時頃、トイレにいるときに動悸が出現した。
5分ほどしても治らないためジアゼパムを内服した。
その後も動悸が持続するため救急外来を受診した。
動悸は、強く打つようなもので脈が乱れる感じはしない。
以前よりこういった症状はあり心療内科に通院している。
いつもは深呼吸や薬の内服でよくなる。
前失神感はなし。胸部圧迫感、冷汗、嘔気嘔吐もない。
腹痛や黒色便・血便などもない。
処方されたジアゼパムがなくなったため、処方も希望している。

<既往歴>

#高血圧
#中等度大動脈弁狭窄症(半年に一回フォロー中)
#全般性不安障害(近医でフォロー中。以下処方されている)
 動悸については数年前にホルター心電図などの精査を行ったが明らかな不整脈の指摘はなく心因反応として精神科へ紹介となっている。

<内服薬>

クロナゼパム1mg 1T/眠前、ジアゼパム2mg 4T/4、タンドスピロン10mg/昼食後、カルシウム拮抗薬・スタチン系配合剤(アムロジン5mg,アトルバスタチン0mg)1T/1

<身体所見>

血圧110/60mmHg、脈拍80/min、呼吸数20/min、SpO296%(RA)、体温36.4℃
General:不安そうだが重症感はない
頭頸部:眼瞼結膜蒼白なし、甲状腺腫大なし
胸部:第2肋間右縁で最大の収縮期雑音を聴取。Levine3/6、頸部に放散。呼吸音清
腹部:異常所見なし
四肢:橈骨動脈触知する限りはリズムは整、末梢冷感なし

<心電図>