2025.09.09

EMA症例171:9月症例 40歳代 女性 主訴:意識障害

暦の上では秋のはずがまだまだ暑い日が続き,熱中症患者も搬送される9月の救急外来,あなたはスタッフ医師として診療にあたっています.
お昼過ぎに救急隊から収容依頼の電話が入りました.「40代女性,意識障害の患者です!朝から体調不良を訴えていたようですが,午後に物音がして家族が見にいったところ意識障害を呈しているところを発見されました!」
 
あなたは「わかりました.こちらで診ます.」と受け入れる旨を伝え,研修医と看護師に意識障害患者が搬送されることを告げ準備を始めました.
 
40代女性
主訴:意識障害
現病歴: X日 7:00頃 「胸がばくばくする」と家族に訴えていた.9:00頃 ペットボトルに水を何度も汲んでは飲み干していた.12:00頃 自室から物音がしたため同居の母が見にいくと,部屋の隅でうずくまって四肢を小刻みに震えさせた状態で呼びかけに反応がなく,救急要請された.
既往歴:境界型パーソナリティ障害
 
バイタルサイン:
気道:開通
呼吸:呼吸回数 20/min,SpO2 95%(室内気)
循環:心拍数 84bpm,血圧 93/75mmHg
意識:JCS I-3(開眼しているが視線は合わず発語もなし)
体温:腋窩温 37.2度
 
簡易血糖測定:112mg/dL