2025.02.25

EMA症例164:2月症例 30歳男性 主訴:顔面外傷

症例概要

 ある日の23時頃、あなたは地域の二次救急病院で当直勤務中です。救急搬送は今日も多く忙しい救急外来で医師はあなた1名のみ。そうした折、1台の救急車が到着しました。

来院時情報

  • 患者: 30歳男性
  • 主訴: 顔面外傷(転倒による)
  • 現病歴:
     夕方頃から友人と飲酒後、自転車に乗って帰宅中に縁石にぶつかり、そのまま顔面から転倒。いったん自宅に戻ったが、口腔内や歯肉からの出血が続き、家族が心配して救急車を呼んだ。
  • 既往歴/内服: 特記事項なし
  • アレルギー: 特になし
  • 最後の食事: 22時頃、ラーメン
  • バイタルサイン:
 ○ 気道:開通
 ○ 呼吸:呼吸数 18回/分、SpO2 99% (室内気)
 ○ 循環:心拍数 88回/分、血圧 140/85 mmHg
 ○ 意識:JCS 3 (GCS E4V4M6)
 ○ 体温:36.8℃

  • 身体所見:

 ○ 酩酊状態のため、診察に非協力的で詳細な評価が困難。
 ○ 口の周囲に血液が付着し、歯肉から静脈性の出血が続いている
 ○ 右頬(皮膚)の浅い裂創から静脈性の出血が認められ、圧迫するとほぼ止血する状態。
 ○ 頭部CTを撮影した結果、頭蓋骨骨折や頭蓋内出血の明らかな所見はなし。