2024.02.05

EMA症例152:2月症例 80歳代 女性 主訴:嘔吐,腹部違和感

平日日中の救急外来,あなたはスタッフ医師として研修医2名と診療にあたっています.
外傷患者をひとり入院させ,早めの昼食をとろうとした11時頃,ホットラインに入電がありました.
「80代女性,嘔吐して動けなくなっているところを発見されました.血圧は55/35,脈拍数120です!病院まで10分ほどです!」

あなたは「わかりました.静脈路確保のうえ急速輸液を開始して向かってください」と指示し,研修医と看護師にショック患者が搬送されることを告げ準備にかかります.

80代女性
主訴:嘔吐,腹部違和感
現病歴:X日未明から腹部違和感がありあまり眠れなかった.食欲もなく,朝食はヨーグルトを数口だけ食べた.9:00頃,脚がふらついて転倒し嘔吐した.立ち上がることができず,たまたま来訪した客が動けなくなっている患者を発見し救急要請された.
アレルギー:なし
既往歴:結腸捻転(詳細不明)で手術歴あり
薬歴:定期内服薬なし
嗜好歴:喫煙なし 飲酒なし

バイタルサイン:
気道:開通
呼吸:呼吸回数30/min, SpO2は脈波を拾えず測定不能(リザーバーマスク10L/min)
循環:心拍数120bpm, 血圧60/50mmHgと表示されるが大腿動脈の拍動はしっかりと触れる,橈骨動脈の拍動は触れない
意識:GCS 14(E4V4M6)
体温:腋窩温36.5度