2021.09.11

EMA症例125:9月症例 20歳女性 腹痛:病院玄関から動けない

あなたはある二次救急病院で、当直医として救急対応中です。腹痛を訴える若い女性が病院の玄関で動けなくなっていると連絡があり、ストレッチャーで救急外来へ運ばれてきました。

【症例】20歳女性
【主訴】腹痛
【現病歴】
4か月ほど前より徐々に腹部が出てきていることに気が付いていた。前日の日中より1時間に1回ほどの腹痛を自覚していた。徐々に痛みの間隔が短くなっており、激痛のため病院を受診した。

【既往歴】なし
【月経歴】もともと周期不整だが、半年以上生理がきていない
【妊娠歴】なし
【内服歴】なし
【アレルギー】なし
【バイタルサイン】
 General appearance:痛みにもだえている
 GCS E4V5M6 HR 120回/min BP 103/64mmHg
 RR 35/min SpO2 99%(RA) BT 36.5℃
【身体所見】
頭頚部:眼瞼結膜蒼白なし 眼球結膜黄染なし
    頸部リンパ節腫脹なし 甲状腺腫大なく圧痛なし
胸部:呼吸音両側清 左右差なし
   心音 整 雑音なし
腹部:腹部膨満 硬い 腸蠕動音低下
   下腹部より臍上3横指まで巨大な腫瘤をふれる
四肢:両側下腿に軽微な圧痕性浮腫あり
体表:紫斑紅斑なし