2020.06.18

SARS-CoV-2感染に対する適したRT-PCR検査のタイミング

Lauren M., et al. Variation in False-Negative Rate of Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction–Based SARS-CoV-2 Tests by Time Since Exposure. Ann Intern Med. 2020;M20-1495
https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/M20-1495

SARS-CoV-2感染のRT-PCR検査は発症後1-3日程度待ってから行うべき

各病院や自治体の尽力により確定診断がついた症例の診療体制は流行初期と比べてかなり整備された印象ですが、
診断のついていない擬似症例に対して個人防護具や陰圧・個室管理をいつ中止するのか
暴露した医療従事者の就業制限をいつ解除するのか
など、いつ・どのように擬似症としての扱いを終了するのかという疑問はなかなか解消されません。

本研究は7つの先行研究の結果からRT-PCR検査の偽陰性率について考察したものです。

元になった7つの研究の検体の採取方法や質、症例の重症度や外来/入院などの条件が均一ではないなどのlimitationはありますが、
Figure2を見ていただくとわかるように、暴露当日の偽陰性率はなんと100%!
その後徐々に減少し、偽陰性率が最も低いのは暴露後8日(症状出現3日後)の20% (CI, 12% to 30%)でした。その後は再び増加します。

Figure3からは検査前確率によって検査後確率が大きく変わることが読み取れます。

現在本邦では新規患者数がかなり低下しており、検査前確率が低い状況と言えます。
検査の特性と疫学を考慮して適切に臨床に適用していきましょう!