2020.05.26

PCR・抗体検査のタイムライン

Sethuraman N et al. Interpreting Diagnostic Tests for SARS-CoV-2.
JAMA. 2020 [Epub ahed of print]
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32374370

続けて、JAMAに掲載された各種検査(RT-PCR、抗体検査)の結果のタイムコースのグラフが見やすかったので紹介します。
これまで発表された約10の文献(主な患者は免疫不全のない成人)をまとめたものになります。

PCR検査に関して
・早ければ発症日に陽性、1週以内にピーク、3週程度陽性持続(ただし「PCR陽性=活性のあるウイルスがいる」とは限らないことに注意)
・PCRの特異度はほぼ100%
・陽性率はBAL(93%) > 喀痰(72%) > 鼻スワブ(63%) > 咽頭スワブ(32%)
・喀痰検体は咽頭スワブ検体より陽性化期間が長い
・発症8日以降は活性のあるウイルスは気道から分離されない(発症1週経つと感染力がほぼなくなるのと関連?)

抗体検査(血清IgG、IgM)に関して
・早ければ発症4日頃から検出できるが、大抵は発症2~3週から
・IgMは発症5週程度で減少して7週でほぼ消失、IgGは7週以降も残存(ただしもっと長期は不明)
・IgG、IgMともにELISA法では特異度95%以上

繰り返しになりますが、グラフが見やすいので是非ご覧ください!
ちなみに、小児や重症例などでは違う動態になる可能性がありますのでご注意ください。