2020.06.18

COVID-19と心筋障害

Clerkin KJ, Fried JA, Raikhelkar J, et al. Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) and Cardiovascular Disease [published online ahead of print, 2020 Mar 21]. Circulation. 2020;10.1161
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32200663/

報告により様々ですが、感染した患者の7%(重症患者の22%)は何らか心筋障害を呈すると言われています。
既往のない患者の死亡率は0.9%とされていますが心血管疾患があると10.5%、高血圧があると6%と死亡率は上昇します。

COVID感染と心筋障害の因果関係はまだ解明していませんが、現時点ではACE2を介しての心筋への直接作用か、サイトカインストーム・低酸素含め全身状態悪化に伴う二次的な心筋障害の2パターンが考えられています。
生存群と死亡群との比較では、トロポニン(hs-cTnI)は死亡群で高値であり日を追うごとに上昇したと報告されます。
そのため何らか心筋障害をきたすと死亡率は上昇する可能性が示唆されています。

後半には心臓移植に関しても記述されています。
中国武漢からの87例の心臓移植の報告では、通常通り予防策を取っていればリスクは高くないと報告しています。
アメリカ移植学会は過去2~4週間にCOVIDの暴露や症状がないことを条件に移植を考慮するとしています。

ドナーに関しても少なくとも2週間はPCRによるCOVID陰性を確認することが必要になります。
日本の移植学会からも同様の声明が出ていますので一読をお勧めします。

まだ解明していないことが多く、日々情報がupdateされる現状ではありますが、COVID感染と心疾患に関しての情報をお届けしました。