2020.04.26

使用済みマスクを家庭でも簡単に除染して再利用できる!

Ma QX, et al. Decontamination of face masks with steam for mask reuse in fighting the pandemic COVID-19: experimental supports.
J Med Virol. 2020 Apr 22. [Epub ahead of print]

サージカルマスクやN95マスクを再利用している方は多いと思いますが,マスク表面にはウイルス粒子などが付着しているため除染する必要があります。除染の方法としては,流水洗浄,アルコール処理,活性塩素水処理,エチレンオキサイドガス処理,紫外線処理などが推奨されていましたが,中には特別な装置が必要なものもあり,また除染方法が化学的または物理的にマスクの構造を破壊している可能性があります。

先日の号外で手作りマスクに関する文献を紹介しましたが,その発表グループがマスクの除染とシールド効果に関する新たな実験データを発表しました。

方法は至って簡単,使用済みマスクをビニール袋に入れて20分間蒸すだけです。
使用済みマスクを20分間蒸してもシールド効果はほとんど落ちませんでした。
今回は中国製のいくつかのサージカルマスク・N95マスクを試しましたが,どのマスクも結果は殆ど変わりませんでした。中には7日間使用したマスクも含まれていました。
また,エッペンドルフチューブ®(注:ポリプロピレン製)に鳥コロナウイルスの含まれた液体を入れて,
同様に5分間蒸したところ,ウイルスの不活性化が確認されました。

ビニール袋に入れたマスクの場合,エッペンドルフチューブ®ほど熱は伝わりにくいと考えられますので,10分〜20分程度の蒸し上げが必要でしょう。

勤務終了時もしくは帰宅時に,外したマスクをビニール袋に入れて蒸すことで,医療資源の節約に貢献できそうです。

ただし,まだ複数回の除染に関してはデータがありませんので留意ください。

↓自宅でやってみました。
一つは100均のストックバッグでやってみました。
20分蒸したところ少しビニールが変性して縮んでいました。
ビニール袋でやる場合は,耐熱性のある厚めの袋がよいかもしれません。

もう一つは金属のバットにラップをかけてみました。
こちらは20分蒸しても特に問題ありませんでした!