2020.04.24

妊婦のCOVID-19に関する臨床症状と転帰

Chen L, et al. Clinical Characteristics of Pregnant Women with Covid-19 in Wuhan, China.
N Engl J Med. 2020 Apr 17. [Epub ahead of print]
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32302077

こちらは中国・武漢市でCOVID-19の診断(PCRもしくは胸部CT所見で診断)を受けた妊婦118人を対象としている。
年齢の中央値は31歳(IQR:28-34)であった。
重症(呼吸数30回以上 or P/F ratio<300mHg or SpO2≤93%)は8例、最重症(呼吸不全 or 人工呼吸器管理 or ショックや臓器不全)は1例であった。最重症の1例はNIPPVを装着した。
対象集団のうち、希望による誘発流産が4例あった。分娩は68例あり、63例(93%)が帝王切開を受け、そのうち約6割がCOVID-19を懸念した選択的帝王切開であった。早産は14例あり、その中で、COVID-19を懸念して誘発分娩を行ったのが7例存在した。
新生児の咽頭PCR検査は8例のみ行われ、いずれも陰性であった。

少なくともこの文献からは、患者集団全体と比較して死亡率や重篤化率が極端に高いということはなさそうです。
しかし妊婦は免疫が抑制されており、インフルエンザの重症化リスクなどを考えれば、引き続き注意が必要と考えます。