ER型救急を志す人達で構成される特定非営利活動法人（NPO法人）　Emergency Medicine Alliance

He X, et al. Temporal dynamics in viral shedding and transmissibility of COVID-19. Nat Med. 2020 Apr 15. [Epub ahead of print]

COVID-19に関しては、潜伏期間にすでに他の人に感染させている可能性があると、これまでも指摘されてきたと思います。
感染伝播の関係が明確になっている77組の患者のデータを集めて、感染が伝播したタイミングについて潜伏期間とともに調べています。
これによると、発症の2-3日前にはウイルス排出が始まっており、発症の0.7日前が感染伝播のピークになると計算されています。発症後は単調に感染率は下がり、7日以内には急速に下がっていました。

また、これまでの研究からPCRは20日間ほど陽性となりますが、症状の発症後8日で感染力が急速に低下するという点は過去の報告（Nature. 2020 Apr 1. PMID:32235945）とも一致しているとしています。
ただし発症時期は患者本人の記憶と申告に頼るしかありません。ここに間違いが潜んでいる可能性はあります。