2020.04.24

エアロゾルボックスの有効性

Canelli R et al. Barrier Ecnclosure during Endotracheal Intubation.
N Engl J Med. 2020 Apr 3. [Epub ahead of print]
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32243118

「PPEが不足するときに,エアロゾールボックスを使うことで,気管挿管時の曝露を低減できるかもしれない」

日に日に増えていくCOVID-19患者に対して,海外ではすでに医療資源が不足している状態です。
日本もいつそのような事態に陥ってもおかしくないため,そういう事態を想定した準備は必要です。

この論文では,気管挿管時に透明なアクリル製の箱(エアロゾル・ボックス)を使用することで,
患者からの飛沫曝露を低減できるのではないか,とシミュレーションしています。
気管挿管時には筋弛緩をかけて行うことが多いと思いますが,飛沫が飛ばないとは言い切れません。
操作性は低下するものの,補助的な感染防護ツールとして使用することは検討してもよいと思います。
論文のAppendixに具体的な寸法も記載されており,またわかりやすいビデオも配信されていますので,ぜひご覧になってください。

このシミュレーションでは気管挿管を想定していますが,私は検体採取のときに利用すると,
飛沫の飛散が抑えられていいのではないか,と思いました。