2020.04.24

PPE枯渇時における手作りマスクの有用性

Ma QX et al. Potential utilities of mask wearing and instant hand hygiene for fightting SARS-CoV-2.
J Med Virol. 2020 Mar 31. [Epub ahead of print]
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32232986

「医療用マスクが不足しても,手作りマスクはある程度代用品になりうる」

皆さんは,自施設にあとどれだけ医療用マスクの備蓄があり,通常の使用頻度でどれぐらいの期間使用し続けられるか把握されていますか?いつ供給が止まるかわからない医療資源を節約するため,もしくはそもそも市販でも手に入らないため,病院外では手作りマスクを利用されている方もいらっしゃるかと思います。

著者らは,新型コロナウイルスを想定してマスク着用と手指衛生の有用性を調べました。
新型コロナウイルスに似た性質の鳥インフルエンザウイルスのエアロゾルを作成して,
それをN95,医療用マスク,手作りマスク,1層のポリエステル布を取り付けたシリンジで吸引し,
どの程度ウイルスが遮断できるかを測定しました。
その結果,1層のポリエステル布を通過したウイルス量に対して,N95は99.98%,医療用マスクは97.14%のウイルスが遮断されていました。
そしてなんと手作りマスクは95.15%のウイルスが遮断されていたとのことです。
この手作りマスクはキッチンペーパー4枚に1層のポリエステル布を重ねて作ってあります。

キッチンペーパーの素材によって,差は生じる可能性がありますが,身近な素材で効果的なマスクが作れるので,不足時の備えやERを受診される方々への情報提供に利用できる結果ではないでしょうか。

今回は手作りマスクのことを紹介したかったので,手指衛生の部分の紹介を割愛しております。