2020.04.24

COVID-19重症者の転帰

Yang X, et al.Clinical course and outcomes of critically ill patients with SARS-CoV-2 pneumonia in Wuhan, China: a single-centered, retrospective, observational study. Lancet Respir Med. 2020 Feb 24. [Epub ahead of print]
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32105632

中国武漢Jin Yin-tan病院の集中治療室に入院した52名の重症患者の単施設後ろ向き研究で、アウトカムはICU入室後28日間の死亡率、ARDS発生率、人工呼吸器要否となっています。

重症の定義:人工呼吸器を必要とする or FiO2:60%以上の酸素需要がある
(ちなみにFiO2:60%はマスクやリザーバー付きマスクで概ね6~7L/min以上の状態)

ICUに入ったのは全患者の7%(710人中52人)で、平均年齢は59.7歳でした。
症状の発現からICU入院までの期間の中央値は9日
治療:37人(71%)が人工呼吸器、6人(11.5%)が腹臥位、6人(11.5%)がECMOを使用

結果はICU入室後28日間で61.5%にあたる32人が死亡という死亡率の高さでした。
入院から死亡までの期間の中央値は7日で、死亡例は高齢、ARDS発症、人工呼吸器使用率が高いという特徴がありました。

なお、生存した20人の患者のうち、8人の患者が28日時点で退院できたようです。

未知の疾患の重症例と対峙する上で先の見通しが立たないことは非常に大きな不安となります。
一つの参考になりましたら幸いです。