Airway Assessment
- Reed MJ, Dunn MJ, & McKeown DW. Can an Airway Assessment Score Predict Difficulty at Intubation in the Emergency Department? Emerg Med J Feb 2005; 22(2): 99 – 102. 救急医のドグマといえばABC。その筆頭が気道管理ですね。そこで技術も大事だけど、まずはdifficult airwayの予測→次の手段をたてておくこと、も同じくらい大事。difficult airwayを予測する手段として”LEMON”を知ってますか? L (Look externally 外見、例えばヒゲ、歯)、E (Evaluate 3-3-2横指分が口、顎、喉にあるか)、M (Mallampatiスコア)、O (Obstruction閉塞たとえば腫瘍、浮腫, Obesity肥満)、N (Neck mobility 頚を動かせるか、外傷)の略ですね。このスタディではEDで154の挿管例をLEMONで評価。LEMONのハイスコア群はやっぱり有意に難しい群でgrade II, III, IVが多かった。特にEvaluate 3-3-2がdifficult airwayをよく予測。
- Kheterpal S, et al. Incidence and Predictors of Difficult and Impossible Mask Ventilation. Anesthesiology Nov 2006; 105 (5): 885 – 891. 最悪挿管できなくても、マスク換気できれば少しはしのげる。しかしマスク換気もできない患者こそ、本当の悪夢。そんな患者を筋弛緩かける前に予測したい。この麻酔科からのスタディでは22,ooo例で1.4%がマスク困難、0,16%が換気不可能、0.37%がさらにdifficult airwayだった。。。EDではもっと多いかもね。関連する因子は、BMI >30、ヒゲ、Mallampati III or IV、57歳以上、いびき、顎が動かない患者、オトガイー舌骨距離 < 6 cmだった。恐ろしいですね。
- Lee A, et al. A Systematic Review (Meta-Analysis) of the Accuracy of the Mallampati Tests to Predict the Difficult Airway. Anesthesia and Analgesia June 2006; 102 (6): 1867 – 1878. Mallanpatiスコアがdifficult airwayの予測に使えるかのメタ解析。麻酔科管理で全身麻酔前、スコアが高い患者は喉頭鏡/挿管が難しかったが、単独で使えるほどはaccuracyはなかった。やっぱりLEMONを組み合わせてdifficult airwayのスクリーニングをしましょう。実は彼はブリガムの麻酔科医だけど、残念ながら一緒にオペ室入る機会はなかったです。
Orotracheal Intubation
- Sagarin M, et al. Airway management by US and Canadian Emergency Medicine Residents: A Multicenter Analysis of More Than 6,000 Endotracheal Intubation Attempts. Ann Emerg Med Oct 2005; 46 (4): 328 – 336. うちのボスのWalls教授主催のNEARレジストリーから。北米31カ所の大学付属EDから6,ooo例以上の挿管をスタディ。77%が救急レジデントによって挿管。一人めで挿管できたのは90%。年次毎に挿管率は向上。78%でRapid Sequence Intubation (RSI)をし、一人め成功率は91%とかなりの好成績。Cricoが必要だったのは0.9%。救急部による挿管がかなりいけているというスタディ。Wallsは救急エアウェイのアイドルとなった。
- Tayal V, et al. Rapid-sequence Intubation at an Emergency Medicine Residency: Success Rate and Adverse Events During a Two-Year Period. Acad Emerg Med Jan 1999; 6(1): 31 – 37. 救急の名門ノースキャロライナから。約600例の挿管症例。70%でRSI。2回以内に97%が挿管成功。RSIでの死亡なし。救急レジデントのRSIはいけているという古典的スタディ。
- Kovarik W, et al. Succinylcholine Does Not Change Intracranial Pressure, Cerebral Blood Flow Velocity, or the Electroencephalogram in Patients with Neurologic Injury. Anesthesia and Analgesia Mar 1994; 78 (3): 469 – 473. サクシニルコリンがICP (頭蓋内圧)をあげるという動物実験はいくつかでている。これはある意味凄いスタディ。ICPの上昇しているICU患者10例にサクシニルコリンを静注。ICPはあがらなかった。他の研究では少し上昇と変化なしというのもあって、結局はほとんど影響がなさそう。僕の施設のRSIではだいたいサクシニルコリンです。ロクロニアムもいいですが、頭部外傷につかうと効果が長くて、血腫なんかあった場合神経所見をとれないのが良くないですよね。
- Clancy M, et al. In patients with head injuries who undergo rapid sequence intubation using succinylcholine, does pretreatment with a competitive neuromuscular blocking agent improve outcome? A literature review. Emerg Med J 2001;18:373 サクシニルコリンの筋れん縮を防ぐのに他の筋弛緩のプライマーはもういりません。このスタディでも完璧なトライアルを見つけられなかったんだ。ただし判ったのは、プライマーはれん縮をある程度防ぐんだけれど、それが頭部外傷患者のICP上昇を防ぎ、アウトカムを改善させるというデータはないということ。もうルーチンでプライマーはいりませんな。
- Heier T, et al. Hemoglobin Desaturation After Succinylcholine-Induced Apnea – A Study of the Recovery of Spontaneous Ventilation in Healthy Volunteers. Anesthesiology May 2001; 94 (5): 754 – 759. 麻酔科ってのは恐ろしいスタディをしますな。「サクシニルコリン使用後にはその短時間作用ゆえに患者はすぐに自発呼吸を開始、低酸素血症状を起こさない」という神話に挑戦。12人の健康ボランティアを十分に酸素化し、チオペンタールとサクシニルコリンを投与。1/3がアプニア7分間を発症、酸素飽和度80%以下となり換気補助が必要となった。当たり前ですな。救急のsickな患者ではあっという間に酸素飽和度が落ちることは経験的にわかりますよね。。。
- Levitan R, et al. Laryngeal View During Laryngoscopy: A Randomized Trial Comparing Cricoid Pressure, Back-Upward-Rightward Pressure, and Bimanual Laryngoscopy. Ann Emerg Med 47:548-55, 2006. Walls先生に並ぶ北米の気道管理の巨頭、レビタン先生。遺体を使った挿管で、どの方法が声帯を見やすくするかというスタディ。おなじみの輪状軟骨圧迫やBURPはかえって悪くなることもあり、一番オススメはBimanual法、つまり自分の右手で輪状軟骨を操作、いいところを見つけたら補助者に同じように押さえてもらい、そこで挿管、という方法だった。
- Naguib M, et al. The Dose of Succinylcholine Required for Excellent Endotracheal Intubating Conditions. Anesth Analg 102:151-5, 2006. 麻酔科からサクシニルコリンの適量をスタディ。フェンタニルとプロポフォールで導入後、患者をさまざまな量のサクシニルコリンに割り付け。1.5 mg/kgで挿管率が向上、それ以上の量にしてもとくに有意差はなかった。
- Takeda T, et al. The Assessment of Three Methods to Verify Tracheal Tube Placement in the Emergency Setting. Resuscitation 56:153, 2003. これは福岡大学の救急部から。挿管が気道に入ったかをどうやって確かめる?というスタディ。非心肺停止例ではETCO2モニターがもともよくPPV 98%、心肺停止例ではETCO2モニターはPPV 68%、聴診が93%だった。心肺停止例ではCO2を産生できないからですね。特に心肺停止例では両者をうまく組み合わせる必要あり。
- Sagarin M, et al. Rapid Sequence Intubation for Pediatric Emergency Airway Management. Pediatr Emerg Care 18:417, 2002. もう一本NEARレジストリから小児のRSIを。約1,300例の小児挿管例、そのうち81%がRSI。挿管1回め成功率はRSI 78%, 薬剤なし 47%, セデーションのみ44%だった。RSIでの合併症発生は1%のみ。小児でもやっぱりRSIは成功率がいいし安全との結果。
- Perry J, Lee J, & Wells G. Are Intubation Conditions Using Rocuronium Equivalent to Those Using Succinylcholine? Acad Emerg Med 9:813-23, 2002。 RSIの筋弛緩にはサクシニルコリン派とロクロニアム派がいますよね。このメタ解析ではサクシニルコリンに軍配。
- Etomidate versus ketamine for rapid sequence intubation in acutely ill patients: a multicentre randomised controlled trial. Lancet 2009; 374: 293–300 RSIにおけるetomidate vs ketaminのRCT。ketaminもかなりいけていることがわかった。etomidateは敗血症での使用がいつも議論の的。ketaminと比較してetomidateは有意にACTHへの反応性が低いと出たが、そのアウトカム自体に意味があるかは疑問。両者で28日死亡率に有意差が出ていない。しかもseptic shockのNがたりなくetomidateの敗血症への使用を否定するにはpower不足。
- Cuthbertson BH et al. The effects of etomidate on adrenal responsiveness and mortality in patients with septic shock. Intensive Care Med 2009 Nov; 35:1868. etomidateは敗血症にやっぱり良くないのかな?一過性の副腎機能抑制をおこすことはデータがある。しかし死亡率に影響するかについてしっかりしたデータは無い。これはseptic shockにおけるlow dose corticosteroidを使ったスタディのsecondary analysis。一つの多変量モデルでは死亡率に有意差なく、もう一方の多変量モデルではetomidate使用後10日後以降経過して初めて死亡率との弱い相関があったという結果。他にもかなりflawの多いスタディです。
Ventilation Alternatives
- Baskett P, Parr M, & Nolan J. The Intubating Laryngeal Mask. Results of a Multicentre Trial with Experience with 500 Cases. Anaesthesia Dec 1998; 53 (12): 1174 – 1179. 麻酔科から、挿管できるLMA挿入後のブラインド気管内挿管のスタディ。95%で成功。
- Cross A, et al. Non-Invasive Ventilation in Acute Respiratory Failure: A Randomised Comparison of Continuous Positive Airway Pressure and Bi-Level Positive Airway Pressure. Emerg Med J 20:531, 2003. 豪州から救急での急性呼吸不全患者へのNIPPVのスタディ。さまざまな原因の急性呼吸不全患者をCPAPとBiPAPにランダム化。NIPPVを必要とする時間、入院期間、死亡率、合併症などのアウトカムに有意差なし。
- Winck J, et al. Efficacy and Safety of Non-Invasive Ventilation in the Treatment of Acute Cardiogenic Pulmonary Edema – A Systemic Review and Meta-Analysis. Crit Care 2006; 10(2) R69. 急性心原性心不全におけるNIPPVのメタ解析。CPAPはコントロール群と比較して、挿管のARR 22%、死亡率のARR 14%だった。すばらしい。







![EM Alliance Cast RSS feed [EM Alliance Cast RSS]](/wp/wp-content/uploads/2010/10/EMAllianceCastBanner.jpg)
Pingback: Airwayシリーズも始まりました。 « Blog Line