EMAオススメ文献コレクションに新しい仲間の登場です。
ここでは、EMAメンバーによって選ばれた、2009年の救急医学必読文献トップ10を紹介します。
Pubmedへのリンクもつけてあります。日々の診療指針、ジャーナルクラブの話題などに活かして頂ければ幸いです。他にもこれぞという文献があればご紹介下さい。
EMA Web担当
出来立てほやほやの必読スタディ。ついに出ましたPECARN より待望の前向き検討です!
低リスク群、GCS 14,15での頭部外傷小児42,ooo例において臨床的に重要な外傷性脳損傷“ci-TBI” (ここが少しキーですが。臨床的にはオッケーでも、日本では許されないCT所見陽性なんかは含まれない)を予測するルールを開発。2歳以下で陰性的中率100%、2歳以上で99.5%と驚異的。内容は実物読んでください。頭部CTで500回から1000回に1回は致命的な悪性腫瘍を起こすといいますから。大事です。
2. Intravenous Drug Administration During Out-of-Hospital Cardiac Arrest. JAMA. 2009;302(20):2222-2229.
ノルウェーのオスロからのRCTで、非外傷性の院外CPA患者を、薬剤投与付きACLSプロトコール群と薬剤なしプロトコール群で比較。
薬剤投与でshort-term survivalは有意に高かったけど、退院生存率や一年後の神経学的アウトカムに有意差はなかった、というもの。
けっこうインパクトのある論文でした。AHAのG2010になったら、心マと除細動しかやることないんじゃないか、と。
3. Clinical Efficacy of Dexamethasone for Acute Exudative Pharyngitis, Tasal et al. JEM, 35(4):363, Nov 2008
要約すると、CentorCriteriaで臨床診断したGABHS咽頭炎にてSteroidを使った群では症状改善・症状消失までの時間が有意に短かったというもの。
Limitationとしては、Nが小さい・痛みという主観的な指標・Re-call Bias・アセトアミノフェン摂取量が不明瞭などが挙げられます。
これはLancetの論文ほど波紋は呼ばなかったですけど、最近みんなやり始めていることかなと感じました。
2009年6月12日にWHOが新型インフルエンザのパンデミックを宣言し社会が騒然とする中で、私は情報収集のため毎日WHOやCDC、厚生労働省のウエブサイトを見ておりました。
NEJMも早くから新型インフルエンザのためのサイト(http://h1n1.nejm.org/)を別個に立ち上げ、積極的に情報発信しておりました。本論文は今回のパンデミックの米国の状況を報告したものだった。SARSの時もそうでしたが、メジャーな学術雑誌はこのような緊急事態の際、査読の作業を大幅に速めて積極的に情報発信してくれるので助かります(このときは無料で閲覧可能)。
大動脈解離は頻度が少ないので国際レジストリがありますね。D-dimerは使い方難しいけれど胸と背中が痛い、、、ACSじゃなさそう、でも突然、、、うーんでも本当かな?という人に使えるかなと思っています。
(編者注:これは仮説形成研究でvalidateされていません。まだこれだけに頼るのは早いかも)
心電図をとる際に胸痛が無かった正常心電図と胸痛があった正常心電図でもACSを起こしている頻度は変わらなかったとし(17%)、胸痛時にとった心電図が正常でもACSの否定にはなんの根拠もないことを警告している論文。
ICUの重症患者の血糖コントロールに関して、intensiveにコントロールする群(81-108mg/dlを目標)とconventionalにコントロールする群(180mg/dl以下を目標)の比較では90日間の死亡率はconventionalにコントロールした群のほうが少し低かったというものです。81-108mg/dlを狙って血糖コントロールって大変そうですね。
なにごともほどほどが良いということでしょうか・・。
小児の中耳炎をアモキシシリン投与群とプラセボ群に分けて追跡したら、抗生剤投与群のほうが再発率が高かったということです。急性中耳炎に抗生剤は無益なのは知っていましたが、ここまであきらかに有害という認識はありませんでした。恥ずかしながら日本で臨床やってますと、お母さんの圧力に負けて抗生剤を処方してしまうことがあったので反省しました。
今後「この子はいつも病院で抗生物質もらって良くなってるんです!」なんて言う母親にどう対応しようか逆に悩みが増えた気もしますが…。
9. Vasopressin, epinephrine, and corticosteroids for in-hospital cardiac arrest. Arch Intern Med. 2009 Jan 12;169(1):15-24.
心肺蘇生においてROSCの割合が4倍に跳ね上がったという研究です。RCTで100名のサンプル数でこの効果をたたき出すとは、なかなか有望ではないかと思います。
患者層がasystoleとPEAの割合が多いので、対象を選ぶことになりますが、今後の研究に期待、です。
です。今後あちこちで引用されると思います。
当たり前と言えばそれまでですが、腹痛患者にはまずUS、続いてCTのアプローチが理にかなっていると言うお話。
Lamerisらは急性腹痛のCTの感度は89%、エコーの感度は70%と報告しているが、まず最初にエコーを行い、診断がはっきりしない、または診断があいまいな場合にCTを追加するという段階を踏むことで、CT試行回数を約半分にできると報告して いる。腹痛と見ればすぐにCTをオーダーする人達への指導の一環に役に立つでしょう。でも自分が腹痛のエコーに自信が無いとなかなか鼻息荒く言えなくなるのでエコーの腕を磨いておきましょう。
また、急性腹痛は解剖学的に4つの区域に分けて考えるべきで、その際にどの検査がより有効かはACR(American College of Radiology) Appropriateness Criteria® October 2008 Versionを参照した方がいいでしょう。左下腹部痛に対してエコーで長時間粘るのは意味が無いので。






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