2016/5/17 文献紹介

文献チームから、沖縄県立中部病院の岡正二郎です。 暑い沖縄から、熱い文献をご紹介します。 今回ご紹介する文献は3つです。 Clinical Policy for Well-Appearing Infants and Children Younger Than 2 Years of Age Presenting to the Emergency Department With Fever. American College of Emergency Physicians Clinical Policies Subcommittee (Writing Committee) on Pediatric Fever, Mace SE et al. Ann Emerg Med. 2016 May;67(5):625-639. PMID: 27106368 まず、ACEP(米国救急学会)から生後2ヶ月〜2歳小児の発熱に対するクリニカルポリシーがでました。 基本的に元気な2歳以下の小児に対して、どのような場合に、尿検査や胸部Xpや腰椎穿刺をするかまとまっています。 印象として、簡潔にまとまっていて分かりやすいですが、やはり検査が多い気がします。 例えば、元気そうな2歳以下の小児で、明らかな感染源がない場合、発熱>39℃で胸部Xpを考慮すべき(レベルB)などです。 胸部Xpを撮るか?これだけで?という気がします。 このあたりは、米国と日本の医療機関へのアクセスしにくさの違いでしょうか。 Brief Resolved Unexplained Events (Formerly Apparent Life-Threatening Events) and Evaluation of Lower-Risk Infants. Pediatrics 2016;137; originally published online April 25,2016 Joel S. Tieder et al. 次に米国小児学会から、乳幼児突発性危急事態ALTEからBRUEと名前と定義が変わりました。 要約すると、以下のようになります。 > 1歳未満の乳児で、突然の症状で短時間で消失したもので以下の4つのうちの1つ以上を満たすものをBRUEという。 ①チアノーゼもしくは蒼白 ②呼吸停止もしくは、呼吸数低下、不規則な呼吸 ③筋緊張の明らかな変化(過緊張もしくは低緊張) ④反応レベルの変化 (医師は病歴と身体診察で原因がわからないものをBRUEという。) BRUEと診断されたうち、低リスク患者の定義は以下。 1.日齢>60日 2.在胎期間>32週、受胎後週数>45週 3.BRUEの既往なし 4.BRUEの時間<1分 5.訓練された医療提供者からCPRされていない 6.想起させる病歴や身体所見がない もし、病歴や身体所見で問題がなければ(突然死の家族歴、微妙な非診断的な社会的や摂食や呼吸器の問題など)、医師は以下を考慮するべき。 ・百日咳検査や心電図検査 ・簡潔にSpO2モニターや持続的な観察 以下はしてはならない。 ・血算採血、胸部Xp、エコー、脳波検査 ・自宅で心電図・SpO2モニターを開始 ・抗痙攣薬や胃酸抑制薬を処方 Direct Versus Video Laryngoscopy Using the C-MAC for Tracheal Intubation in the Emergency Department, a Randomized Controlled Trial. Driver BE et al. Acad Emerg Med. 2016 Apr;23(4):433-9. PMID: 26850232 最後に、ERで直視型喉頭鏡とビデオ喉頭鏡をRCT比較した場合、初回挿管成功率に有意差はなかったという文献です。 背景として、これまでビデオ喉頭鏡の方が挿管成功率が高いというスタディはありましたが、意外にもERでのRCTスタディはなかったようです。観察研究だけであったり、挿管場所が手術室やICUでのRCTしかなかったようです。 そこで今回、C-MACを用いて、198人のERでの挿管患者を直視型喉頭鏡とビデオ喉頭鏡に振り分けスタディが行われました。 結果としては初回挿管成功率は変わらなかったという結果でした。(直視型喉頭鏡86% vs. ビデオ喉頭鏡92% P=0.18) 感想としては、有意差はないものの、やはりビデオ喉頭鏡のほうが成功率高い傾向ありそうですよね。 そして、今回のスタディで直視型喉頭鏡のバックアップがビデオ喉頭鏡だったというのは、やはりビデオ喉頭鏡のほうが成功率高いと思っているということですよね…。 けっして、このスタディだけでこれまでのビデオ喉頭鏡の優位性が崩れるものだとは思いませんが、これまでERでのRCTスタディが無かったのは意外だったので面白かったです。 以上です。 沖縄県立中部病院 救命救急センター 岡 正二郎

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いわずと知れた感染症の青木先生。 だいぶ分厚くなりましたが、第1章だけは読みましょう。救急にも感染症はいくらでも来ます。しかし大事なのはアプローチの仕...

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マイナーエマージェンシー / Philip Buttaravoli

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眼科救急といえば、このポケットブックで完璧。絵が少ないのが難点ですが一冊持っておきましょう。眼科救急は大事です。 おすすめ度:★★★ The W...

ティアニー先生の臨床入門 / ローレンス・ティアニー, 松村 正巳

言わずと知れたティアニー先生。マニアックな症例が多いが、そのアプローチはいかなる症例にも応用可能。若いうちに読んでおきたい。 おすすめ度:★★★★ ...

バイタルサインでここまでわかる!OKとNG (「ジェネラリスト・マスターズ」シリーズ 3) / 徳田 安春

何よりも大事だからこそバイタルサイン。初期研修医のうちに身につけてほしい。内容が少ないが、すぐ読める。 おすすめ度:★★★ バイタルサインでここ...

急性腹症の早期診断―病歴と身体所見による診断技能をみがく / ウィリアム サイレン

急性腹症に関する古典。でも温故知新。 おすすめ度:★★★ 急性腹症の早期診断―病歴と身体所見による診断技能をみがく / ウィリアム サイレン...

よくある症状‐見逃せない疾患―デキる臨床医はこのように考える / 大西 弘高

QandA方式にて学べる症例集。集めてある症例も秀逸。 おすすめ度:★★★★ よくある症状‐見逃せない疾患―デキる臨床医はこのように考える / ...

ER流研修指導医マル秘心得47—つまづき症例で学ぶ,研修医教育のポイント / 加藤 博之

指導医の立場から研修の教育を見た良著。 おすすめ度:★★★★ ER流研修指導医マル秘心得47—つまづき症例で学ぶ,研修医教育のポイント / 加藤...

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上記Wallsの和訳。一つ版が古いのが難点。もう筋弛緩のプライマーなんてしません。できれば英語で頑張りたい。 おすすめ度:★★★★ 緊急気道管理...

Manual of Emergency Airway Management / Robert C. Luten MD (監修), Ron M. Walls (編集)

僕のボスのWalls先生による気道確保のテキストブック。気道確保は救急医の生命線です。RSIをしっかり勉強しましょう。LEMONを知っていますか。気道確...

心エコー法・マスターガイド / 樅山 幸彦, 神野 雅史

この本も薄いけれどかなりいい。 おすすめ度:★★★★ 心エコー法・マスターガイド / 樅山 幸彦, 神野 雅史...

腹部エコー法・マスターガイド / 荒木 康之, 飯伏 義弘, 桜井 理世

薄い本だかかなり充実している。 おすすめ度:★★★★ 腹部エコー法・マスターガイド / 荒木 康之, 飯伏 義弘, 桜井 理世...

腹部超音波テキスト 上・下腹部 (Atlas Series超音波編) / 辻本 文雄, 井田 正博, 松原 馨

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DrNobleの本もいいがこの本もなかなか。 おすすめ度:★★★★★ Emergency Ultrasound / O. John Ma, Ja...

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判読ER心電図実際の症例で鍛える 1 基本編 / A.マトゥー, W.ブラディ

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図解心電図テキスト―Dr.Dubin式はやわかり心電図読解メソッド / デイル デュービン

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骨折などの単純レントゲンの読み方といったらコレ。 写真も多く、読み方のポイントまで懇切丁寧。しかもポケットサイズ。英語も簡単だから心配いらない。 お...

トップナイフ―外傷手術の技・腕・巧み / Asher Hirshberg, Kenneth L. Mattox

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スキル外来手術アトラス―すべての外科系医師に必要な美しく治すための基本手技 / 市田 正成

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これからの創傷治療 / 夏井 睦

創傷治癒で有名な夏井先生の本。 すべてをこの通りにすることが正しいわけではないが、非常に参考になる1冊。 おすすめ度:★★★★★ これからの創...

創傷治療の常識非常識〈2〉熱傷と創感染 / 夏井 睦

創傷治癒で有名な夏井先生の本。 すべてをこの通りにすることが正しいわけではないが、非常に参考になる1冊。 おすすめ度:★★★★★ 創傷治療の常...

創傷治療の常識非常識―〈消毒とガーゼ〉撲滅宣言 / 夏井 睦

創傷治癒で有名な夏井先生の本。 すべてをこの通りにすることが正しいわけではないが、非常に参考になる1冊。 おすすめ度:★★★★★ 創傷治療の常...

ドクター夏井の外傷治療「裏」マニュアル―すぐに役立つHints&Tips / 夏井 睦

創傷治癒で有名な夏井先生の本。 すべてをこの通りにすることが正しいわけではないが、非常に参考になる1冊。 おすすめ度:★★★★★ ドクター夏井...

写真でわかる外傷基本手技―VISUAL TEXTBOOK OF TRAUMA CARE / 益子邦洋, 松本尚

外傷手技のビジュアルテキスト。 写真が豊富でイメージしやすいのがいいけど高い・・・。ERに1冊あれば教育ツールとしていいかも。 おすすめ度:★★★ ...

JPTECガイドブック / JPTEC協議会

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外傷初期診療ガイドライン 改訂第3版 / 日本外傷学会

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骨太! Dr.仲田のダイナミック整形外科(上巻)~決定版! プライマリ・ケアのための膝・腰・肩のみかた~ケアネットDVD / 仲田 和正

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Fracture Management for Primary Care / M. Patrice Eiff MD, Walter L. Calmbach MD, Robert L. Hatch MD MPH

どの骨折にどの固定がよくて、どれくらい固定が必要とか。いつどのタイミングで整形外科にコンサルトするとか非常にわかりやすく統一した書式で書いてあります。 ...

Atlas of Normal Roentgen Variants That May Simulate Disease / Theodore E. Keats MD, Mark W. Anderson MD

小児において骨折なのか正常なのか?様々な悩ましいケースを載せています。放射線科が単純まで手の回らない日本では救急部に一つあっていいですね。 おすすめ度...

Accident and Emergency Radiology / Nigel Raby FRCR, Laurence Berman MB BS FRCP FRCR, Gerald de Lacey MA FRCR

おなじみの整形疾患の画像をまとめた本。写真も多く、読み方のポイントまで懇切丁寧。しかもポケットサイズ。 おすすめ度:★★★★★ Accident...

Essentials of Musculoskeletal Care (Essentials of Musculoskeletal Care (Griffin)) / Walter B., M.D. Greene

これも知られていない名作。アメリカ整形外科学会から、プライマリーケアで診る整形疾患がよくまとまってます。絵も多く、整形診察の手順もよくのってます。オスス...

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